「スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課 ソトニ」竹内 明

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スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課 ソトニ

【私の評価】★★★★☆(81点)


■この本は北朝鮮の工作員と
 警視庁公安部が暗闘を繰り広げる
 9月末に発行された推理小説です。


 ちょうど今年の9月15日、
 北朝鮮は弾道ミサイルを
 日本の上空を通過させ、
 東北東2000キロ先の太平洋に
 発射しました。


 すごいタイミングだなぁ、
 と思いながら手にした一冊です。


・日本への不法入国を「浸透」、
 共和国に向けて出国することを
 「復帰」と言う(p106)


■北朝鮮の浸透工作員は、
 日本人に背乗りして
 日本人として活動しています。


 そしてそれを追う
 元警視庁公安部の
 ベテラン刑事という設定。


 ストーリーを通じて北朝鮮の
 隠れ家(シェルター)や
 スパイ道具、在日の協力者との
 関係などが浮かび上がり
 興味深く読みました。


・別の北朝鮮人が、その戸籍や旅券を使って
 成りすましたまま、アメリカ・テキサス州に渡り、
 「アメリカ育ちの日本人」としての経歴を
 作り上げてきたのだとう。まさに国家が
 潜入工作員のために育てた背乗り
 (はいのり)用の身分だった(p52)


■この本では、官邸や警察庁にまで
 北朝鮮の工作が行われている設定で、
 戦前のソ連の内閣やマスコミへの
 工作を思い出させました。


 どこまで現実に近いのかわかりませんが、
 一定の浸透工作員が活動しているという
 ことを想定しておかなければ
 いけなのでしょう。


 竹内さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・他人の戸籍を乗っ取って、成りすます
 「背乗り」は、ロシアと北朝鮮の
 非公然機関員の伝統的な手口だ。
 彼らは日本人として社会に溶け込み、
 結婚して、子供を育てながら、
 諜報活動を行うこともある(p184)


・昔の工作員は、深夜に短波で流される
 乱数放送をラジオで受信していたそうだが、
 龍哉の世代は「ステガノフラフィー」を使う。
 インターネット上の画像に隠された
 テキストや音声ファイルを複合して、
 指令を受信するのだ(p104)


・「チヨダ」とは、
 警察庁警備局警備企画課指導係。
 全国公安警察の協力者獲得工作と、
 そこから得た情報を管理している
 秘密部署だ(p219)


・新幹線・・最高時速三百キロのスピードを
 誇る最新の公共交通機関には、乗客の手荷物検査も、
 身分証確認もない。利便性とコストの追及が、 
 乗客の安全を犠牲にしているのが実態だ。
 このため、新幹線は偵察総局の対日破壊工作リストの
 最上位に位置し、工作員たちは模擬車両で
 破壊訓練を繰り返している(p305)


・<金剛山(クムガムサン)>
 龍哉たちはこう呼ぶ。
 ここはビルの所有者すら立ち入りを
 禁じられた隠れ家(シェルター)だ。
 金剛山の扉の脇には、小さな箱が
 据えつけられている。
 小さなレンズがこちらを見ており、
 その下の窪みに中指を挿入すると
 鍵が開く音が聞こえた。
 静脈認証式の鍵だ(p24)


・スマホで撮影したデジタル画像は
 指紋を鮮明に映し出していた。
 偵察総局が開発した「BIO FINGER」
 は写真から指紋の降線と谷線の陰影を
 サンプリングしたうえで、
 汗や血管などの色むらを除去して
 データ化できる優れものだ(p93)


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