「あと1%だけ、やってみよう 私の仕事哲学」水戸岡 鋭治

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あと1%だけ、やってみよう 私の仕事哲学

【私の評価】★★★★★(93点)


■「ななつ星 in 九州」、
 883系「ソニック」、
 885系「かもめ」などを
 デザインした水戸岡さんの一冊です。


 水戸岡さんの列車のデザインは
 正直、かっこいい。


 しかし、その"かっこいい"を
 実現するためには、猛烈な反発に
 立ち向かわなくてはならなかったのです。


 鉄道業界ではじめてのことを
 実現しようとするのですから、
 当然といえば当然なのでしょう。


・787系「つばめ」・・・
 この列車で中心に据えるべきは、
 「食堂車」だと早い段階で企図・・
 しかし、このプランは、JR九州社内から
 猛烈な反発を買うこととなります(p20)


■無垢の木を使おうとすれば、
 品質が安定しないじゃないか
 と反対されるので、
 それがいい味を出すと説得する。


 ガラスを多用する。
 割れたらどうするんだと言われれば、
 危険な部分はポリカを使う。


 食堂車を作りますといえば、
 食堂車は儲からないと反論され、
 いえ、儲かりますよ、と説得する。


 古参のプロフェッショナルとは、
 できない理由を探すプロなのですね。


・「鉄道ではやったことがない」という
 技術にしても、なぜ、やったことがないのか。
 まったくできないことなのか。
 では、できない理由は、予算なのか。
 スケジュールなのか、
 あなた方の技術のレベルなのか・・
 実は、できない理由はどこにも
 なかったりするわけです(p27)


■水戸岡さんは、鉄道デザインの
 宮崎駿だと思いました。


 面倒くさいと言いながら、
 メンバーを引っ張っていき、
 とんでもないところに
 運んでいくのです。


 そしてその作品に
 多くの人が感動する。


 水戸岡さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「とことん試行錯誤すれば見えてくる」
 は、私の実体験で得た教訓ですが、
 「ななつ星」でもやはり、考え、止まり、
 考え、また進むことになりました(p8)


・仕事の原点は、
 「感動」だと私は思っています。
 感動をどう仕事の中に、
 商品の中に落とし込めるのか。
 それを落とし込めたときに、
 その仕事はほとんど成功したと
 言えるのではないでしょうか(p12)


・主張は、合同会議ではなかなか簡単に
 通りませんでした・・
 ぎりぎりまで明かさず、反論を封じて
 一気呵成にねじ込むやり方であるとか、
 逆に、相手によっては事前に打診を繰り返し、
 仮プレゼンで感触をつかんでおくとか・・
 私には、これをやればお客様が喜ぶ、
 楽しんでくれる、何かを感じてくれる
 という思いがありました。そこが、
 ただ反対する人とは違うのです(p101)


・対立構造をつくらないようにして、
 十分対話をし、ほかの人を理解する。
 理解をしたから賛成ということではなくて、
 理解したけれど賛同はできない、
 ということがあってもいいわけです(p113)


・この仕事をしていてよく、
 「水戸岡さんの好みで選んだり、
 つくったりしている」と言われます。
 これはまったくの誤解です。
 私はいつも、第三者の目をたくさん
 持つようにして、なるべく客観的に、
 ものをつくっているつもりです(p132)


・14室ある部屋がそれぞれ違っていた方が楽しい。
 すべて違うデザイン、色、素材、模様の
 内装にすれば、当然手間がかかります。
 しかし、誰に命じられたわけでもなく、
 どうしてもそうしたくなってしまうのですから、
 仕方がないのです(p160)


・リーダーが、「みんな、1%上げようよ」と
 言えるかどうかなのです。
 もし、それができれば、ひとつ上の
 レベルのものが手に入るのです(p142)


・みんなの意見を聞いて、
 そのへんにしておきましょうか、
 と安易につくり上げたものは、
 たしかに楽ではあったけど、
 誰からも褒められないし、
 いったい何をしたか、自分も
 わからないで終わってしまう。
 本当はそういう人生を誰も
 送りたくはないと思うのです(p28)


・あれは水戸岡さんの真似をしているんじゃないか、
 と指摘されることもときどきありますが、
 私自身はまったく気にしていません。
 というのも、私もまたコピーを
 しているからです(p34)


・過去の中で感動したことをコピーして、
 それをデザインしているのです。
 アイディアはいつも人から、時代からもらう。
 自分で考え出すことは少ないのです(p40)


・美しい街は、その街に住んでいる人の
 意識レベルの高さの表れであり、
 駅前の商店街のシャッターが下りている街は、
 あるいは駅前に立って貧しいと感じる街は、
 やはりそういう意識の街なのです(p74)


・私の中では大きく二つのデザインの
 仕事があります・・・
 日々の生活のための稼ぐ仕事と、
 すぐにはお金にはならないけれど
 子どもや世代のためにやっておかなければ
 いけないことです(p65)


・私は、この人と仕事をするとまずい、
 と思った相手には近づきません。
 その人にどんなに才能があっても、
 お金儲けがうまくても、
 危ない人とは絶対に仕事をしない。
 お金儲けはヘタでも、
 フェアプレイをする人が私にとっては
 大事なんです(p176)


・私たちがほかに負けないような努力をして、
 素晴らしいものができるんだったら、
 みんな死ぬほどの目に遭って、
 もしそれで死ぬならその方がいいよ、
 というぐらいのことはいつも
 思っています(p190)


・子どもたちがある程度年を重ねたときに、
 その大人たちがやった仕事に対し、
 もう一回、あの質を超えてみようと
 思ってくれれば嬉しい。
 そうなることを信じてものを
 つくっているのです(p207)


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■目次

第1章 それができない理由はどこにもない
第2章 デザインは街をつくることができる
第3章 私を育ててくれたJR九州の仕事
第4章 感動をデザインする―「ななつ星」の場合
第5章 少し無理すると、ひとつ上のものができる
第6章 一緒に仕事をする人と、一緒に感動する
第7章 次世代が幸福になる仕事でなければ意味がない



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