「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」清武 英利

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プライベートバンカー カネ守りと新富裕層

【私の評価】★★★★☆(81点)


■日本の証券会社から
 シンガポールのプライベートバンクに
 転職した主人公を通して
 新富裕層の課税優遇地への移住を考えます。


 お金持ちは税金を減らすために
 税金の安い外国に移住しようと
 考える場合があります。


 5年を超えて日本の非居住者であれば
 日本国内の財産にしか
 課税されないのです。


 そしてそれを助けるのが、
 プライベートバンクと呼ばれる
 富裕層向けの金融サービスです。


・プライベートバンカーは一億円以上の
 金融資産を持つ金持ちしか相手にしない。
 彼らの定義によると、
 富裕層とは「1億円~5億円未満」、
 超富裕層は「5億円以上」
 の資産を持つ者だそうだ(p10)


■しかし、実際に移住してみると
 やることがないのです。


 ゴルフをするか、酒を飲むか、
 女を買うしかやることがない。


 税金を減らすために、
 人生の幸せな時間を減らしてしまう
 人が多いらしいのです。


・税金を逃れてきた日本人で幸せになった
 という話はあまり聞かない・・
 しばらくすると妻や息子の嫁が
 「日本に帰りたい」・・などと言い出し、
 移住した一家がもめ始める(p136)


■ここまでして税金を払いたくないのか、
 と思いました。


 税金を払いたくないがゆえに
 シンガポールに住む人は、
 牢獄にいるようなものです。


 やってみないと
 その人の気持ちはわからない
 のですね。


 清武さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・仕事、目標、友人・・。
 新富裕層のため息は、それらが欠ければ
 異国で生きるのは辛いことを
 教えている(p138)


・やることがないのや。
 暇なんが一番怖いのう(p9)


・金持ちになって南の島でのんびり
 何も考えずに暮らしたいと憧れる人は多い。
 だが、いざそれをやってみると、
 あんなに空虚なものなのか、
 と木島は思ったりする(p132)


・税金を払わない終身旅行者・・
 日本に国籍を置いたまま、
 タイに居宅を構え、
 オフショアのシンガポールで
 資産運用をして資産をますます増やし、
 余暇はカンボジアや近隣諸国で
 過ごしている(p243)


・プライベートバンクはもともと欧州の
 階級社会の中から生まれている。
 王侯貴族など超富裕層の資産を管理し、
 運用する個人営業の銀行(Private bank)が
 原型で、資産家のために働くバンカー・・(p27)


・プライベートバンカーの仕事は三つしかない。
 一つ目は、ビリオネアの口座を銀行に開設させること。
 二つ目はその口座に彼らのカネを入金させること。
 そして三つ目がそのカネを運用して守ること(p34)


・シンガポールは成功者ばかりだ・・
 敗者は打ちのめされて帰国するか、
 マラッカ海峡に飛び込むかしかない(p21)


・採用条件・・
 1.自分の力で1年以内に1億ドルのカネを集め、
 2.百万ドルの収益を挙げろ(p24)


・見込み客に御礼状を書く・・
 その日の面談で名刺を交わした人、
 会ってくれなかった人、
 面談したが名刺は出してくれなかった人、
 カネを持っていそうな人すべてを
 「見込み客」と呼び、彼らに筆ペンで
 御礼状や挨拶状を書けというのである(p79)


・BOSの場合、顧客によっては
 預かり資産の1%をカストディアン・フィー
 (信託報酬)として受け取るが、そのうち
 三割を紹介者に提供していた(p116)


・相場師は相場でやられるか、
 脱税でやられるかどっちかだったよ(p143)


・阿部は自身でポートフォリオを組み、
 多額の資産を分散運用している。
 短中期の投資で年間6%ほどの
 リターンが目標だ。本心を言えば、
 マーケットは好きではない。
 胃が痛むのだ。若いころと違って、
 あえて臆病に運用するのが彼のスタイルだ。
 男気のあるディーラーというのは
 結局、死ぬのだという(p149)


・シンガポールに移住した
 世界的な投資家ジム・ロジャーズは、
 「Buy disaster.(天災は買いだ)」
 を信条としていた。
 そして、東日本大震災翌日には
 日本株を買い増している(p154)


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【私の評価】★★★★☆(81点)

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■目次

第1章 ニューマネーの国
第2章 ジャパンデスク
第3章 攻防
第4章 海を渡った日本人富裕層
第5章 国税は見ている
第6章 シンガポール・コネクション
第7章 『太陽がいっぱい』



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