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「天職」秋元康 鈴木おさむ

2017/08/18公開 更新
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天職 (朝日新書)


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

放送作家でありながら、作詞、小説、映画と幅広く活躍している秋元康さんと鈴木おさむさんの対談です。AKB48総合プロデュ―サーの秋元さん、もう59歳なんですね。AKB48は売れない時から、秋元さんが好きだから続けてきたプロジェクトであることがわかります。ちなみに、森三中の大島美幸さんと結婚した鈴木おさむさんは45歳です。


秋元さんの幸せの定義は、「今が楽しいと思えるか?」です。富や地位や名誉を手に入れることではないというのです。特に50歳になったら、自分のやりたいことしかしない。請け負い仕事はやらない。そのスタンスでいいと思うとまで言っています。


・AKB48の曲って800局近くあるんだけど、全部僕が詞を書いてるんだよ。こだわりみたいなものかな。部屋のインテリアみたいな・・(秋元)(p128)


秋元さんは、とにかく、おもしろく生きたい。毎日興味あることだけをやって、終わりたいと言っています。誰もが、やりたいことをやるだけの時間しかない。だけどみんな、やりたくないことまでやろうとするというのです。


好きなこと、やりたいことをやっていこう!という秋元さんの言葉が印象的でした。やりたいことだから、他の人から見れば苦難であっても続けられるのです。"努力"というものとも、また違うように感じました。努力するのは当たり前。だってやりたいことをやっているんだから、そんなこと当たり前じゃないか、ということです。


・鈴木 僕たちもよく聞かれますよね。情報収集はどうやってるんですかって。
 秋元 いろんな本を読みなさいとか、映画を観なさいとか、そんなこと言ってる時点でダメなんだよ。そんなものやっているのが当たり前で、それが好きな人たちが集まってるわけだから(p189)


象の背中 』を書いたのが秋元さんということを知ってびっくり。「象の背中」では余命半年の象が出てきますが、秋元さんなら今、毎日好きなことをやってるから、そのままの日常を続けるなと思ったという。


一生懸命、放送作家をやってきて、やっぱり自分の興味のあることをやるのが一番という結果になったようです。余命半年でも、今の生活をする。そういう後悔のない人生は、やりたいことをやることから生まれるのですね。


秋元さん、鈴木さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・やりたいものを優先していると、不思議と自分の好みに合ったものがくるんですよ。この人と仕事してみたいな、と思うとお話をいただいたり(スズキ)(p18)


・秋元 僕もおさむも、もしかしたら、人に話したくなるようなことを毎日探してるだけかもしれない(p96)


・品川君は僕(鈴木)に「『やる』と『やろうと思った』のあいだって、めちゃくちゃ深い川が流れてるんですよね。わかりますよね?」って言ったんですよ(p116)


・秋元さんは忙しくなるのがわかっていて、小説を引き受けるのはどうしてですか。秋元 一番目の理由は、まずは好奇心。二番目は、小さな誘いや依頼を断る人でありたくない(p121)


・秋元 40歳のときは流してたほうがラクだし、仕事もくると思う。でも50歳になったときに気づくんだよ。なんで流してきたんだろうって(p143)


・鈴木 僕は才能よりも、おもしろい人生を歩んでいるやつに嫉妬するんですよね(p146)


・鈴木 僕よく、嫉妬年表を作れって言うんですけど、自分が今誰に嫉妬しているかをはっきりさせたほうがいいと思うんです・・でもそれは、ライバルとはまた違って。自分が何に対して、こう、ざわっとするか(p148)


・秋元 結局、僕らの仕事は何かっていうと、一つひとつの仕事を積み重ねて積み重ねて、いざ大きな仕事をするときのための、自分にとっての「七人の侍」と出会っていく、そういう冒険をしているってことなんだよね。50歳を過ぎて勝負をかける仕事をするときに、誰を呼ぶか(p175)


・秋元 不器用な人が成功するんだよね。不器用な人がトンネルを掘り始めたら、そのトンネルしか掘らない・・・自分にはこれしかないって信じることじゃないのかな(p190)


天職 (朝日新書)
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秋元康 鈴木おさむ
朝日新聞出版 (2013-06-13)
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【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 九八%は「運」で決まる
第2章 「好奇心」を育てる
第3章 「汗」をかくしかない
第4章 「才能」は誰にでもある
第5章 「夢はかなう」は本当か?
第6章 「天職」との出合い方



著者経歴

秋元康(あきもと やすし)・・・作詞家。高校時代から放送作家として『ザ・ベストテン』など数々の番組構成を手がける。1983年以降、作詞家として、美空ひばり『川の流れのように』をはじめ、中島美嘉『WILL』、EXILE『EXIT』ほか、数々のヒット曲を生む。2008年11月、ジェロ『海雪』にて第41回日本作詩大賞受賞。1991年、松坂慶子・緒形拳主演『グッバイ・ママ』で映画監督デビュー。企画・原作の映画に『着信アリ』シリーズ、『伝染歌』など。2005年4月、京都造形芸術大学教授、2007年4月、同大学副学長。TV番組の企画構成、新聞・雑誌の連載など、多岐にわたり活躍中。アイドルユニット"AKB48"と"SKE48"の総合プロデューサーも務める


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