「おだまり、ローズ: 子爵夫人付きメイドの回想」ロジーナ・ハリソン

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おだまり、ローズ: 子爵夫人付きメイドの回想

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■イギリスのアスター子爵夫人ナンシー、
 レディ・アスターに仕えたメイドの
 回顧録です。


 レディ・アスターは非常に
 メイドをいじめる?!人だったようで、
 多くのメイドが変わっていました。


 どこかの国の国会議員のように
 「ハゲ~」と罵倒するわけではなく、
 意地が悪いのです。


・わたしの目に映る奥様は、
 もはや気難しく意地の悪い人物ではなく、
 自分なりの方法で私を
 試そうとしている人物でした(p118)


■しかし、気の強い著者は、
 解雇されるのを覚悟して、
 言いたいことを言いました。


 すると、レディ・アスターが
 折れたのです。


 気の強いどおし、
 ボケとツッコミのような関係を
 楽しんでいたのでしょう。


 ハリソンさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・わたしたちがディナーアワー(当時の庶民は
 夜ではなく昼に正餐をとっていた)と
 呼んでいた昼休みになると、
 わたしは家にお昼を食べに戻りました。
 食べてしまうと洗濯場に行って絞り機の
 ハンドルをまわし、母が午前中に洗って
 おいた洗濯物を脱するするのを手伝います(p15)


・ある日、父がスタッドリー・ロイヤルから、
 廃棄処分になったすてきな腰湯用の浴槽を
 持ち帰りました。それからというもの、
 わたしたちは入浴するたびに百万長者に
 なった気分を味わいました(p18)


・ときにはパトリシア様のお供で公園に
 散歩に行くこともありました。
 まるっきりメリーさんと羊そのままで、
 もちろん私が羊です。ただし実際には、
 わたしは羊ではなくむしろ番犬の役割を
 期待されていました・・淑女は使用人の
 前ではつねに品位を保たなくてはならないのです(p35)


・泊りがけのお出かけにはわたちがお供をし、
 おかげで荷造りというとてつもなく難しい
 作業のこつを身につけました・・
 持っていくものを選ぶ作業も、
 ひと筋縄ではいきません。
 出発前の女主人はなんとなく気が急いていて、
 お付きメイドへの指示もぞんざいになりがちです・・
 「あなたに任せるわ、ローズ」という具合に。
 ところがいざ目的地に到着し、お望みの品を
 持ってきていないとなると、
 一転してこちらが責められるのです(p38)


・お屋敷勤めをしている娘は、
 休日が少ないうえに不規則だという
 悪条件を抱えていたからです。
 おまけに十時の門限がるので、
 デートは毎回シンデレラの舞踏会のよう。
 シンデレラとの違いは、靴のかわりに
 職を失いかねなかったことです(p42)


・奥様づきメイドになったいま、
 わたしももうプリント地の
 ワンピースは身につけません。
 求められるのは、すっきりと
 簡素で控えめで、それでいた
 野暮ったくない服装です。
 朝と午後はセーターとスカートの
 上にカーディガンを羽織り、
 お茶のあとや、それ以上でも
 外出するときは、青か茶色の
 ワンピースに着替えます(p54)


・わたしにとっての最大の頭痛の種は、
 そこまで値が張らない装身具の数々でした。
 奥様は普段使いの装身具の扱いには無頓着で、
 ほうぼうに貸してしまい、ときには
 だれにも言わずに人にあげてしまわれる
 ことさえあったのです(p110)
 

・わたしにとって睡眠は貴重なもので、
 夜九時から朝六時までは何があっても
 自分の時間として確保し、十時過ぎまで
 起きていることはめったにありませんでした(p147)


・あなた方イギリス人にはもうひとつの特徴があるわ。
 イギリスの御婦人は旦那様はしょっちゅう変えるけど、
 執事は絶対に変えないの(p191)


・使用人の回顧録はそう多くない。
 イギリスにおいて二十世紀半ばまでは、
 使用人をひとりでもおくことが、
 「ミドル・クラス」の絶対条件であり、
 家庭の使用人という仕事に就く人口が
 農業に次いで多かったことを思うと、
 これは不思議に思えるかもしれない。
 しかし、基本的にイギリスの使用人は
 労働者階級出身で、長い文書を書くのが
 得意な人間がそう多くはなく、また
 優秀な使用人ほど、「主人の秘密を
 多言してはならない」ことを
 たたきこまれている・・(p355)


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【私の評価】★★★☆☆(70点)



■目次

アスター家の使用人 1928
はじめに

1 子供時代
2 いざお屋敷奉公に
3 アスター家との出会い
4 レディ・アスターとわたしの仕事
5 わたしが仕事になじむまで
6 おもてなしは盛大に
7 アスター家の人々
8 戦時中の一家族
9 叶えられた念願
10 宗教と政治
11 最後の数年間


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