「日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場 」梁 英聖

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日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場

【私の評価】★☆☆☆☆(50点)


■在日朝鮮人の既得権が減る中で、
 在日朝鮮人への批判をヘイトスピーチとして
 反撃しようという一冊です。


 朝鮮には反日はあるが、
 愛国はないと聞いたことがありますが、
 その通りだと思いました。


 愛国ではなく、
 日本での差別を批判することで
 自分の存在価値を保っている
 ように感じるのです。


・朝鮮高校無償化除外という政権による
 あからさまなレイシズム・・(p249)


■そういうところが、
 日本人に嫌われる原因なのですが、
 そこはお国柄なのでしょう。


 逆に日本人がこれまで反論もせずに、
 お茶を濁してきたことで、
 誤解を与える結果になっているようにも
 思えます。


 梁さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・19世紀以降の欧米列強や日本の帝国主義にとって、
 植民地支配の目的は、土地・資源・労働者や
 超過利潤獲得など経済的な収奪にあった。
 植民地支配とは、経済的・政治的利益を得るために
 つくられたレイシズムのシステムだと言える(p92)


・入管令が、法律上「想定外」であるはずの、
 パスポート・ビザ・在留資格をもちようもなく、
 すでに日本の居住している60万の在日コリアンに
 対して、ほかの外国人と"平等"に原則適用されると
 どうなうのか・・「なぜ植民地支配責任をとらないのか?」
 との問いに耳を傾けない日本政府から、
 逆に「なぜお前たちは日本にいるのか?」と
 問われねばならなくなったのだ(p126)


・2006年、第一次安倍内閣以後は、
 日朝交渉の「カード」として在日コリアンの
 人種・組織弾圧を活用するようになった。
 北朝鮮と新潟を結ぶ貨客船・万景峰号は
 入港さえできなくなり、再入国許可も
 制限され、祖国往来の自由は
 ますます侵害された(p178)


・1948年11月に下された東京裁判の判決は、
 極めて不十分なものとなった・・
 そもそも追訴された戦争犯罪は、
 1928年以降の侵略戦争にすぎず、
 それ以前の戦争犯罪と植民地支配責任は
 まったく問われなかった。また、
 日本軍「慰安婦」制度もいくつかの
 個別のケースについては有罪、あるいは
 証拠資料が採用されたものの、戦時性暴力
 としては裁かれていない。また、当時の
 在日コリアン団体・朝連が、昭和天皇を
 植民地支配の責任者として処罰せよと
 要求したが、これは黙殺された(p274)


・1993年には河野官房長官談話が出された。
 これは、被害者が意に反して「慰安婦」にされたことや、
 慰安所設置などに「軍の関与」を認め、
 歴史研究・調査・教育を通じて、「慰安婦」問題を
 記憶にとどめる、とうたった点で前進だった(p276)


・いま日本で反レイシズム1.0成立へのけん引役として
 最も期待できるモノサシの一つは、カウンターを
 はじめとする反ヘイトスピーチ活動それじたいだろう・・
 とにかく体を張って、非暴力直接行動で
 街頭でのヘイトスピーチを止めようとすること、
 それじたいが、反レイシズム1.0の萌芽を
 形成さえた大きな力だった(p289)


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【私の評価】★☆☆☆☆(50点)



■著者・・梁英聖(リャン・ヨンソン)

 1982年東京生まれ。在日コリアン3世。
 東京都立大学卒業、現在一橋大学大学院
 言語社会研究科修士課程。
 研究テーマは在日コリアンへのレイシズム等。


■目次

序章 戦後日本が初めて経験するレイシズムの危険性を前に
第1章 いま何が起きているのか―日本のヘイトスピーチの現状と特徴
第2章 レイシズムとは何か、差別煽動とは何か―差別を「見える化」するために
第3章 実際に起きた在日コリアンへのレイシズム暴力事例
第4章 欧米先進諸国の反レイシズム政策・規範から日本のズレを可視化する
第5章 なぜヘイトスピーチは頻発しつづけるのか?―三つの原因


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