「勝てる野球の統計学―セイバーメトリクス」鳥越 規央

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勝てる野球の統計学――セイバーメトリクス (岩波科学ライブラリー)

【私の評価】★★★★☆(86点)

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■コンピュータがプロ棋士に勝ってしまう・・
 AI、ビッグデータ解析が人の感覚を
 超えてしまう時代になりました。


 この本では、野球のデータ分析から
 多くの定説が修正の必要がある
 としています。


 まず、二三塁から敬遠して
 満塁策を取ることがありますが、
 これは確率からすると
 得点期待値が上がり、
 敬遠の意味がありません。


 満塁策は、次の打者の打率、出塁率が
 低い場合のみ有効な
 作戦なのでしょう。


・得点期待値は「あるアウトカウント、
 走者状況が出現した後、イニングが
 終了するまでに何点入ったか」(p4)


■また、送りバントは、
 得点期待値を下げることから、
 あまり意味がない
ことがわかります。


 送りバントで進塁させるよりも
 普通に打ったほうが、
 得点期待値が高いのです。


 送りバントが意味を持つのは、
 次の1点で勝敗が決まるという
 場合のみです。


・"無死一塁"(0.821)から"1死二塁"(0.687)
 "1死一塁"(0.499)から"2死二塁"(0.321)・・
 どの状況をみても、送りバントを成功させた後の
 得点期待値が下がっており、アウトカウントを
 増やすことは攻撃側にとってリスクである・・(p7)


■数値で評価しにくい
 投手や野手もデータで評価しようとする
 執念に感動しました。


 特に生活がかかっているプロならば、
 事実が反映された数字で
 評価されたいはずですね。


 これからは画像処理も含めて
 どんどん野球のデータ分析が
 進歩していくのでしょう。


 鳥越さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「"無死満塁"からは得点が入りにくい」
 という通説に反し、
 最も多くの得点が期待できる(p5)


・得点期待値からプレーの得点価値を算出・・
 打席前"無死一塁"(0.821)
 ⇒二塁打後"無死二三塁"(1.974)
 ・・差分は1.974-0.821=1.153(p11)


出塁率は打率よりも得点との相関が強いことが、
 データ分析の結果から判明し・・
 チームを編成する場合、出塁率が
 重要視されるようになってきている(p26)


・「得点能力」を評価する指標
 OPS(On-base Plus Slugging)
 =(出塁率)+(長打率)(p28)


・フィールド内に飛んだ打球が安打になるかどうかは、
 多分に運の要素や守備力、球場の形状などが
 絡んでいるとされている(p51)


・ゾーンデータを用いて「守備範囲」の算出・・
 ゾーンデータとは「どのような打球がどの位置に飛び、
 それがどのように処理されたか」を
 詳細に表したものである(p65)


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【私の評価】★★★★☆(86点)



■目次

1 "無死満塁"は点が入りにくいのか?―野球のセオリーを検証する
2 ホームランバッターか三割打者か?―「全員イチロー」vs「全員バレンティン」
3 防御率だけでは見えない名投手の条件―失点に占める投手の責任の割合
4 イメージ先行で語られがちな「守備の達人」―失策が多くても守備範囲は広かった
5 真のMVPは誰か?―勝利への貢献度を数字で表す


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