「天を衝く(上・下)」高橋 克彦

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天を衝く〈上〉―秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実天を衝く〈下〉―秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実

【私の評価】★★★★★(90点)


■織田信長から豊臣秀吉に
 天下が転げ落ちていくなかで、
 二十万とも言われる豊臣勢は、
 蒲生氏郷(がもううじさと)を総大将とする
 十万の兵を東北に向かわせます。


 強引な奥州仕置や検地により、
 伊達政宗など反逆する勢力があれば
 攻め滅ぼそうとしたわけです。


 そうした中で、
 南部家は豊臣側にいち早く
 恭順を示していました。


・勝てぬ相手なら、せめて
 戦さとならぬ工夫をいたせ。
 それが国の先行きを思うということだ・・
 国の先行きのためであれば、
 たとえ親の仇であろうとも
 手を結ばねばならぬことがある(上p338)


■その南部家の中で、九戸城主である
 九戸政実(くのへまさざね)だけは
 豊臣勢に従いませんでした。


 十万の豊臣勢に対し、
 九戸城へ籠城した政実は善戦しますが、
 兵の助命を条件に降伏。


 助命の約束も反故にされ、
 城内の兵は殺され、
 政実を含む首謀者は処刑されました。


・今の世にはご貴殿のごとく
 生きて未来に役立つ者と、
 死んで未来に繋げる者とがある

 奥州で真っ先に秀吉どのに恭順を示した
 南部の中に、手前のような者が
 おることこそ肝要。
 戦さとなって果てたとしても、
 必ずその意を汲み取ってくれる者が
 出て参ろう(下p175)


■自らの勢力を武力と知恵で拡大していく
 なんでもありの戦国時代の考え方に、
 現在の国際情勢が重なりました。


 どのような手段を用いても
 最後に勝ち残ったものが、
 歴史を作るということです。


 高橋さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・安倍貞任(さだとう)の遺児高星丸を始祖とする
 秋田安東一族が、源義家の弟義光を始祖として
 鎌倉以降陸奥の経営に当たっていた南部一族に
 対して反抗の狼煙を上げた(上p5)


・秋田の愛季(ちかすえ)だとて世の情勢を
 はっきり認識しながら着実に領地を広げている。
 国のだれかの手によって纏められたとき、
 どれほどの領地を持っているかが
 大事となる(下p12)


遠くと結んで近くを敵とせよ、と申す。
 それが領土を広げる将の道だ。
 近くと手を結んでいる限り、
 自国を広げられぬ(上p324)


・戦さにおける最大の敵は実を言うと
 飯を食い続ける味方の兵なのである

 百人で済む戦さに千人を引き連れていけば
 食糧の確保に頭を悩ませなければならない。
 直ぐに身動きが取れなくなってしまう(上p170)


・戦さとはあらゆる展開を
 頭に思い描いてから行うものだ。
 その場で思い付く策など知れている。
 先の先まで見通していれば
 兵を即座に動かせる(上p603)


・政宗のために南部を強引にでも
 己のものとしておけば良かった、
 とも思った。そうすれば南部と伊達が
 組んで秀吉に真っ向から戦さを
 挑めたかも知れない(下p174)


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