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「論語と算盤(上) (自己修養篇)」渋沢栄一

2017/03/27公開 更新
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論語と算盤(上) (自己修養篇(いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ13))


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

■明治から大正にかけて500もの
 会社の設立に関わった渋沢栄一の
 「論語と算盤」の現代語訳です。


 渋沢栄一に関わった会社は、
 東京ガス、東京電力、東京海上火災保険、
 王子製紙、太平洋セメント、帝国ホテル、
 京阪電気鉄道、東京証券取引所・・・
 現在も社会を支える会社となっています。


 会社経営にあたっては、
 論語(道徳)と算盤(金儲け)の
 両輪が必要であることを説いています。


・私の言う「士魂商才」・・ひとりの人間が世の中で生きていくには、武士のような心の強さが必要なことはもちろんです。ただ一方でこの武士的な精神ばかりで「商才」がなかったら、お金のやりくりが上手くいかなくなって自滅を招くでしょう(p20)


■渋沢が言うのは、
 調子が良くても調子に乗らず、
 不運でも落ち込まずということです。


 その一方で、
 自分でコントロールできる問題には、
 自らの行動を反省する。


 当たり前のようですが、
 当たり前のことができる人が
 少ないのでしょう。


・ちょっと調子がいいとすぐ自分の<境遇>を忘れて、分不相応な考えをやりだします。また何か困難に直面すると、自分の立ち位置を忘れてうちひしがれてしまう。つまり「幸せに奢り、災いに悲しむ」のが凡人の典型的なパターンなのです(p150)


■現代語訳が軽く感じて
 少し違和感がありました。


 中庸を説くだけあって、
 内容もしっかりしています。


 どうしてそう考えるに至ったのか、
 ご自分の経験も教えていただくと
 うれしいと思いました。


 渋沢さん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「争うべきとには争う」のと同時に「その時期が来るのを気長に待つ」というのも、世の中で生きていくためには欠かせないことです(p39)


・日本の現状を見てもっとも許せないのは、官尊民卑の悪いクセがいまだになくならないことです。官の側にいれば、どんな不届きなことをしてもたいてい見過ごされてしまう(p40)


・自然な逆境の中で生きていくためには、まず天命を受け入れることです。そして、ゆっくりと来るべき運命が来るのを待ちながら、たゆまず、くじけず勉強するのがいい(p54)


・人為的な逆境に陥った場合はどうすればいいのか。これは多くの場合、自分が引き起こしたことなので、とにかく自分を省みて、悪い点を改める以外に手はありません。(p54)


・「チャンスをつかむのはいつも貧乏で苦しいときで、失敗するのはいつも得意になっているときだ」と昔の人も言っていますが、この言葉は真理です(p64)


・自分の長所と短所を精細に比較・考察することです。そして、長所の中でもっともすぐれたところを活かせるように志を定めてください(p93)


・「常識」とは・・事に当たって、とっぴなことをせず、ガンコになりすぎず、ものごとの是非・善悪を見分け、利害・得失を識別し、言語と挙動のすべてが『中庸』にかなっているもの(p114)


・「情」は一種の緩和剤であり、何事でもこのひと味を加えることで、バランスをとることができ、人生のすべてのことが円満な解決に導かれるのです(p119)


・中国の学問も千年ほど前の宋の時代、今言ったような衰退の道をたどっています。仁義道徳-ただそれだけを唱え続けたあげくに・・完全に空理空論の世界にハマってしまいました・・そうしているうちに元に侵攻され、混乱が続き、最終的にはみじめなことに異民族の元に統一されてしまいました(p166)


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【私の評価】★★★★☆(82点)



目次

・処世と信条
・常識と習慣
・仁義と富貴
・理想と迷信


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