「氷川清話」勝 海舟

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氷川清話 夢酔独言 (中公クラシックス)

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■幕末・維新期のような非常の時には、
 第一に、予言的思想家があらわれる。


 そして、第二に、その思想をじぶんがやる、
 という行動的志士があらわれる。


 そうしてまた、第三に、
 後戻りができなくくらいの政治的決断をする
 「政治的人間」があらわれる。


■勝 海舟は、第三の「政治的人間」であり、
 幕府はもう終わりだと決断して
 「江戸無血開城」を行います。


 その相手は西郷隆盛であり、
 勝海舟にすべてを委任したのが、
 徳川慶喜なのですね。


 勝さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・おれは、今までに天下で恐ろしいものを
 二人見た。それは、横井小楠と
 西郷南洲(隆盛)とだ。(p34)


・おれなどは、生来人がわるいから、
 ちゃんと世間の相場を踏んでいるョ。
 上った相場も、いつか下る時があるし、
 下った相場も、いつかは上がる時があるものサ。
 その上り下りの時間も、長くて十年はかからないョ。
 それだから、自分の相場が下落したとみたら、
 じっと屈んでいれば、しばらくすると、
 また上ってくるものだ(p32)


・坂本が薩摩からかえってきて言うには、
 「なるほど西郷という奴は、わからぬ奴だ。
 少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く。
 もし馬鹿なら大きな馬鹿で、
 利口なら大きな利口だろう」といったが、
 坂本もなかなか鑑識のある奴だョ。
 西郷に及ぶことのできないのは、
 その大胆識と大誠意とにあるのだ(p36)


・こないだは二十年ぶりで慶喜公にお目にかかったが、
 その時おれは「よい事はみな御自分でなさったように、
 わるい事はみな勝がしたように、世間へはおっしゃい」
 と申しておいたよ(p44)


・陸奥は、元来才子だから、なかなか仕事はやる・・
 しかし陸奥は、人の部下について、その幕僚と
 なるに適した人物で幕僚に長として
 これを統率するには不適当であった。
 あの男は、統領もしその人を得たら、
 十分才を揮うけれども、
 その人を得なければ、不平の親玉になって、
 眼下に統領を踏み落す人物だ(p78)


・いかに治民の術を呑みこんでいても、
 今も昔も人間万事金というものがその土台であるから、
 もしこれがなかった日には、
 いかなる大政治家が出ても、とうてい
 その手腕を施すことはできない。(p97)


・日本人もあまり戦争に勝ったなどと
 いばっていると、後で大変な目にあうョ。
 剣や鉄砲の戦争には勝っても、
 経済上の戦争に負けると、国は仕方がなくなるョ。
 そして、この経済上の戦争にかけては、
 日本人は、とても支那人には及ばないだろうと思うと、
 おれはひそかに心配するョ(p144)


・全体支那を日本と同じように見るのが大違いだ。
 日本は立派な国家だけれども、支那は国家ではない、
 あれはただ人民の社会だ。
 政府などはどうなってもかまわない。
 自分さえ利益を得れば、
 それで支那人は満足するのだ(p155)


・人はどんなものでも決して捨つべきものではない。
 いかに役立たぬといっても、必ず何か一得はあるものだ。
 おれはこれまで何十年の経験によって、
 この事のいよいよ間違いないのを悟ったョ(p196)


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【私の評価】★★★☆☆(75点)


■目次

立身の数々を語る
古今の人物論
政治家の秘訣
天下の経済
外交と海軍
時勢の変遷
江戸文学の批評
処世の要諦
東京奠都三十年


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