「火天の城」山本 兼一

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火天の城 (文春文庫)

【私の評価】★★★★☆(86点)


■勢力を拡大する織田信長は、
 天下統一を見据え安土城の
 築城を決意します。


 信長の要求は南蛮風にすること。
 山の周囲には石垣を積む。
 西洋の城を目指したのです。


 宮大工にとっては、
 一世一代の大仕事です。


・毎朝、どの番匠よりも早く、作事場に入った。
 天主台入り口で、深々と拝礼し、柏手を打った。
 父がそうしていたのが、
 自然に身についていた(p268)


■信長の無理な要求に、
 設計変更を繰り返す。


 職人間のいざこざを、
 納める。


 スパイの謀略にひるまず
 作業を続ける。


 総責任者である棟梁には
 考えるべきことが
 多いのです。


・お前のはただの私憤だ。
 わしのはだ。
 作事場の法は、戦陣同様
 厳格でなければならぬ(p293)


■棟梁というプロジェクトマネジャーの
 立場の辛さと、人を育てる難しさが
 伝わってきました。


 安土城は信長の死によって
 燃えてなくなりました。
 木造の悲しさですね。


 山本さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・木を組むのが番匠の仕事で、
 人を組むのが棟梁の仕事か。
 棟梁のなすべき仕事がすこしだけ、
 わかった気がした(p276)


・いらだった大工たちをなだめ、
 不公平が出ぬように目を配るのも
 総棟梁の大切な仕事だ。
 城は腕で建てるのではない。
 番匠たちの心を組んで建てるのだ(p143)


・なにか心に乱れることがあると、
 台鉋(だいがんな)や鑿(のみ)の刃を研ぐ。
 鋸の歯を鑢(やすり)で目立てする。(p130)


・角材に拝礼し、柏手を打った。
 八百万(やおよろず)の神々に祈った。
 一厘の狂いもなく墨を打つのだ、
 と自分に言い聞かせた(p202)


・胴突で土を突き固めていく。
 これは、近江の百姓女たちの仕事だった。
 男が急いで突き固めるより、
 女の力でなんども突いたほうが、
 土がよくしまる(p55)


火天の城 (文春文庫)
火天の城 (文春文庫)
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山本 兼一
文藝春秋
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【私の評価】★★★★☆(86点)



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■目次

江戸庶民のラクに生きる知恵
カンニング女子
立派な計画はいらない
ときには、羽目を外すのも
言い争いの無意味
「天気味報は当たらない」と言われたときに
本当の「友だち」って?
オーディションに、2度やって来た男
練習が好きな理由
さらけ出せる人 他




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