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「アイリスオーヤマ一目瞭然の経営術」三田村 蕗子

2016/07/26公開 更新
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アイリスオーヤマ一目瞭然の経営術

【私の評価】★★★★☆(83点)


■アイリスオーヤマというと
 地元仙台の大企業というイメージですが、
 元は大阪でプラスチック成形業を
 営む小さな町工場でした。


 オイルショック時に一時事業を縮小し、
 仙台工場から事業を
 拡大してきたのです。


 その事業拡大のポイントは
 製造下請けという業態から
 商品開発から配送まで行う業態に
 移行したことです。


 アイリスオーヤマで有名なのは
 その商品開発力のスピードですね。


・アイリスオーヤマが年間に開発する
 商品は実に1000アイテム以上・・
 総売上高に占める新製品の割合は
 59%にもおよぶ(2011年度)(p47)


■さらに隠れた強さの秘密は、
 スピードと透明性にありました。


 スピードについては、
 即断即決の営業マン。


 そして、製品を翌日出荷できる
 納品のスピードです。


 透明性については、
 商品一つひとつの原価を透明化し、
 経営判断を支えているのです。


・通常照明業界では受注から納品までの
 リードタイムは30~45日だが、
 アイリスオーヤマは「翌日出荷」できる
 生産量と在庫保有能力を備えている(p42)


■スピードと管理会計。
 京セラの本を読んでいるように
 感じました。


 うまくいっている会社は
 似てくるのでしょうか。


 三田村さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・部品調達から販売計画まで、
 一人が責任を持って開発を行う(p86)


・「とにかく即断即決ですね・・・
 アイリスオーヤマの営業マンは
 『すぐやります』
 とその場で宣言しちゃう・・
 本社の意向を聞かずにですよ。
 で、その後に動く。あれはすごい(p120)


・商品が100あれば、100それぞれの利益を
 個別に把握できるよう個別原価管理を
 実施している(p146)


・小売業チェーンからの売り上げが一定以上の
 ボリュームになった場合、利益を他に配分せずに、
 当該のチェーンに還元すべきというのが
 アイリスオーヤマのスタンス。・・
 コストを明確にし、営業マン一人に月いくら
 かかるかをすべてオープン
にしている(p117)


・工場はどれも、インターチェンジ近くの
 交通の便のよい場所にあり、取り引きのある
 小売店に日帰り配送できるよう、
 半径300キロメートル圏内の場所に立地(p124)


・工場稼働率の上限は70%。・・・
 稼働率が65%を超えて恒常的に
 70%を上回るようであれば、
 それは追加投資のシグナル
だ。・・・
 70%を超えて操業させれば、
 繁忙期には供給が間に合わなくなる。
 「予測は5割前後振れるもの」というのは
 大山社長の経験からくる持論である(p127)


・当社は保守契約が大嫌い。・・
 コピーもファクスもリースではなく購入しています。
 保守契約の費用はイニシャルの10%程度。
 スポット保守は高いので、コスト的には
 保守契約した方が安いかもしれません。
 しかし、社内にデータやノウハウを蓄積できるという
 メリットは捨てがたいのです(p133)


・信用調査会社と提携して取引先である
 ホームセンターの与信調査も
 独自に行っている(p133)


アイリスオーヤマ一目瞭然の経営術
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三田村 蕗子
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【私の評価】★★★★☆(83点)



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■目次

第1章 LED革命
第2章 高シェア・高収益を生み出す商品開発力
第3章 メーカーベンダーイノベーション
第4章 マネジメントマジック
第5章 巨大市場を押さえろ
第6章 新しいフィールドへ

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この著者の本


コメント(1)

自分が買ったアイリスオーヤマの商品が2回連続で不良品の理由がこの概要でなんとなく理解できました、自分の場合は安物買の銭失いでした。安いからと泣き寝入りです。

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