「日本電力戦争: 資源と権益、原子力をめぐる闘争の系譜」山岡 淳一郎

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日本電力戦争: 資源と権益、原子力をめぐる闘争の系譜

【私の評価】★★☆☆☆(63点)


■日本のエネルギーの4割は、
 電気の形で供給されています。


 つまり、電力を考えることは
 日本のエネルギーを考えることなのです。


 この本では、電力の裏側が
 若干わかりますが、
 表面的な理解という印象。


■石油業界が自由化されているように、
 電力業界も自由化されています。


 エネルギーセキュリティを考えつつ、
 自由化してほしいですね。


 こんなはずだった、
 というわけにはいかないのですから。


 山岡さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・エネルギーを他国に依存しすぎると
 国家の存立が脅かされる。(p22)


・エネルギー資源の獲得は
 商社の双肩にかかっている。
 近年、商社は天然ガスや石油、
 ウラン資源などの上流開発に直接投資し、
 自ら生産者のポジションを確保している(p56)


・シェール革命の担い手は、メジャーではなく、
 その他大勢の小さな企業である(p91)


・国家戦略室は、官民混成の舞台で、
 もともと機能が二つに分かれていた。
 国家戦略大臣の下で政策を動かす官僚の「A」チーム、
 もうひとつが総理にセカンドオピニオンを上げる「B」チームで、
 こちらは研究機関などから派遣された民間人が多かった。
 そこに震災後、日下部がトップのエネルギー・
 環境会議事務局が立ち上がり、経産省から
 職員が送り込まれて「K」チームが生まれる(p119)


・東電が国有化に抵抗したら、「法的整理という
 手段を見せつつ、交渉すること」と記してあり・・
 ペーパーには「原子力の国有化」も明記されている・・
 原発の提供を渋る電力会社に対しては、
 「今後、バックエンドの費用を含めて、無限責任を
 自社で全部負う」と脅せば、「ほとんどの電力会社は
 原子力国営会社に参画」する、と見通す(p149)


・電力自由化と体制護持の矛盾は、
 市場競争の激化で電力会社が原発を
 持てなくなる点に集約される(p151)


・松永安左エ門・・産業は民間の諸君の
 自主発奮と努力にまたねばならぬ。
 官庁に頼るなどもってのほかで、
 官吏は人間のくずである。
 この考えを改めない限りは、
 日本の発展は望めない(p171)


・経済界は電力国管に関して次のような懸念を並べた。
 ・官営は、鉄道、製鉄、電信電話なども、ことごとく非能率的である。
 ・新設の発送電会社が開業するまで民間の新規開発が
  禁じられるのでで電力不足になる・・(p176)


・国家管理の欠点は、事業の生命たる創意の精力を欠き、
 迅速果敢に仕事を執い運ぶことができない点にある。(p183)


・日本発送電という「砦」を失った官は、
 指をくわえて電力再編を眺めてはいなかった。
 自由党の党人脈、大野伴睦らを動かして
 「電源開発促進法」を議員立法で国会に提出させる・・
 特殊法人の「電源開発株式会社」を設立し、
 官が天下って大規模な電源開発を行おうという
 底意は透けて見える。GHQは官の統制的な
 会社創設には終始反対していた


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山岡 淳一郎
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【私の評価】★★☆☆☆(63点)


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■目次

プロローグ 海図なき航海
第1章 国のかたちを決める資源―揺れるエネルギー供給体制
第2章 シェール革命の大渦のなかへ―フクシマ、オバマ、米国産LNG
第3章 「原発稼働ゼロ」のゆくえ―「国民的議論」は何だったのか
第4章 電力支配をめぐる闘争―統制を壊す「電力の鬼」
第5章 脱石油と原子力―「ファウスト的契約」のツケ
第6章 牙をむくグローバリズム―資源獲得と原発輸出のはてに...



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