「ドイツの脱原発がよくわかる本」川口・マーン・惠美

| このエントリーをはてなブックマークに追加

ドイツの脱原発がよくわかる本: 日本が見習ってはいけない理由

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■岡目八目というように、
 海外から見ると日本が
 よく見えるらしい。


 ドイツ在住の長い
 川口さんには日本の原子力政策は
 どのように見えたのでしょうか。


 まず、川口さんは
 原子力をすべて停止してしまったことに
 驚いたようです。


・ドイツでは別に原発が全部止まっているわけではない。
 17基のうち9基は稼働している。・・・
 それに比して、日本は突然、50基を止めてしまった。
 どれだけ無理をしているか、そこのところを
 私たち日本人は良く考える必要がある(p82)


■なぜならば、運転しながらでも
 耐震、耐津波対策は打てる。


 運転しないことで、
 電気料金が上昇する。


 チェルノブイリ事故の後も、
 スリーマイル事故の後も、
 原子力をすべて停止するという
 判断にはならなかったのです。


・東電以外の電力会社は、事故を起こしたわけでもない。
 原発を急に止める理由は何もなかったはずだ。・・
 安全強化は、運転しながらでもできる。
 どこの国の原発でも、そうしてきた(p205)


■そしてドイツでは、脱原発の一方で
 再生可能エネルギーを大量導入しています。


 その結果、
 再エネがすべての原因ではありませんが
 電気料金が2倍になっています。


 川口さんの言いたいことは、
 外国の事例を勉強して、
 長期的にゆっくりと脱原発、再エネ導入を
 進めればいいということです。


・ドイツの脱原発・・2022年までにすべての原発を停止。・・
 連邦系統規制庁の長官は言った。
 「どう決定しようがあなた方の自由だ。
  ただ、自分たちが何を決定したかを知るべきだ」(p27)


■今の日本は、ドイツの失敗をまねるだけでなく
 さらに加速して失敗しようとしている
 ように見えるようです。


 頭の良いはずの日本人が
 残念なことです。


 川口さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・再エネで儲かる人がいる一方、
 投資するお金のない貧乏人にとっては、
 再エネはタダどころか、
 電気代の値上がりをもたらす元凶だ(p56)


・再エネは、お天気が悪いと発電量が急速に減るので、・・
 バックアップの電源は、ピーク時の需要を
 ほぼ100%満たせるだけの容量を
 確保しておかなければならない(p62)


・電力会社がどれだけ発電できるかは太陽と風が決める。・・
 計画的に発電できない電力会社が儲からないのは当然で・・
 電力会社を倒産させるわけにもいかず、
 しわ取りのためには、早晩、火力にも補助金を
 出さなければならなくなるだろう(p80)


・デンマークは・・風力が30%、バイオマスが15%と、
 再エネ電気の割合がすでに大きい・・・
 そのいわゆるしわ取りのためのバックアップ電源を、
 デンマークは自前で用意していない・・
 あまった風力電気をノルウェーやスウェーデンに安く売る・・
 昼間の不足時間帯には、ノルウェーやスウェーデンから
 水力電気を買っている(p123)


・日本には、電気が足りなくなったとき、
 あるいは、あまったときに
 融通をつけ合える隣国がない。
 これは、決定的なデメリットだ(p202)


・現在でさえアメリカの1.7倍のCO2を
 排出している中国が・・
 (100万キロワット級)の石炭発電所を
 年に50基ほども建設している・・
 先進国がCO2削減のために、
 何か効果的なことをするつもりなら、
 自分たちのことよりも、
 新興国の手助けをした方が良い(p84)


・世界原子力発電事業者協会(WANO)は、
 女川発電所に対して、原子力功労者賞を授与している。
 理由は、①日ごろから緊急時の対応をはじめとした
 事前準備に備えてきたこと、②巨大地震と津波にも
 かかわらず、発電所の3基すべてを安全に冷温停止に
 導いたこと、③震災で被災した地域住民を受け入れ、
 地域と共に困難を乗り越えたこと(p170)


・リスクマネージメントとは何か・・
 目の手術は原則として、一人の医師が
 両目いっぺんにすることはない・・
 一人で一度にすると、万が一・・・
 両目を失明してしまう危険があるからだ(p3)


ドイツの脱原発がよくわかる本: 日本が見習ってはいけない理由
川口 マーン 惠美
草思社
売り上げランキング: 228,143

【私の評価】★★★☆☆(72点)



楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村

blogranking.png
人気ブログランキングへ


■目次

ドイツが脱原発を決めるまでの紆余曲折
脱原発を理解するための電力の基礎
ドイツの夢見た再エネが直面した現実
今、ドイツで起こっていること
ドイツの再エネ法が2014年に改正されたわけ
「再エネ先進国」を見習えない理由
原発はどれだけ怖いのか?
ドイツの放射性廃棄物貯蔵問題はどうなっているか
日本の原発を見にいく
日本の電力供給、苦闘の歴史と現在
ドイツの脱原発を真似てはいけない理由
日本の豊かさを壊さない賢明な選択を



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読 スポンサードリンク
関連記事

>月別(2002年7月~)