「外務省犯罪黒書」佐藤 優

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外務省犯罪黒書

【私の評価】★★★★☆(83点)


■2006年頃に「月刊現代」に掲載された
 佐藤さん「外務省『犯罪白書』」を
 一冊の書籍にしたもの。


 2002年に佐藤さんは逮捕され、
 2009年に有罪が確定しているので、
 裁判中に外務省職員の立場で
 書いたものです。


 外務省からの圧力に対して、
 佐藤さんは「私は死に場所を求めている
 と言っています。


・筆者への警告・・外務省も組織だ。しかも国家機関だ。
 甘く見ているとどうなるか、よく考えておけ。
 特に野村一成前ロシア大使(現東宮大夫)に触る
 記述をした場合、どうなるかよく考えておいたほうが
 身のためだ。「菊のタブー」がどういうものか、
 佐藤も思い知ることになろう。ちなみに山手線や
 地下鉄に乗るときは、あまり線路寄りに
 立たないことだ。健康に注意されたい(p112)


■佐藤さんの暴露内容は、
 裏金の作り方。


 記者の弱みを握る方法。


 外交特権のある外交官の
 海外での犯罪の揉み消し方。


 都合の悪い外務大臣を
 失脚させる方法。


 外務省で出世する方法。


 さもありなん、
 といった内容です。


・鈴木氏から筆者は以下の話を伝えられた。
 「佐藤さん、さっき飯村が訪ねてきて、
  早く国会で田中大臣と対決しろというんだ。
  このままでは外務省がもちません。
  田中の婆さんは、自分のおとうちゃん
 (田中角栄元首相)は偉かったという
  思いだけで動いています(p123)


■あまり仕事をしないほうが出世する、
 というのは、
 どのような組織でもあると思います。


 そのほうが、失敗しないから、
 頭のいい選択肢なのですね。


 佐藤さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・在ドミニカ共和国特命全権大使をつとめている
 岡本治男氏が、モロッコで酩酊した上、
 自動車を運転し、人を殺したにもかかわらず、
 刑事責任を免れ、外務省の処分もわずか定職
 1ヵ月に過ぎないという事実が判明した(p24)


・筆者自身、モスクワに在勤したときに、
 同僚が酒盛りの後、酩酊状態で起こした
 人身事故を警察署まで赴いて
 揉み消したことがある。
 もちろん上司の指示に基づいて行った
 「仕事」だ(p27)


・在瀋陽総領事館での北朝鮮人亡命事件、
 在上海総領事館員(電信官)自殺事件、
 沖縄密約問題に関する虚偽答弁、
 北朝鮮による拉致問題解決に向けた交渉の停滞、
 北方領土交渉の行き詰まりまどは、
 川口-竹内コンビの時代に起きている(p89)


・外務省は「霞クラブ」の記者を外務官僚にとって
 都合の良い記事を書く「与党」とそうでない
 「野党」に区別する・・政官界に影響を与える
 テレビ朝日の「サンデープロジェクト」などは
 放送内容を活字に起こして回覧する(p108)


・首相や外相に同行した記者たちを
 いかがわしい店に誘い、楽しませ、
 その実態について報告書を握っておく
 というのも外務官僚のお家芸だ(p109)


・VOAは、単にアメリカの宣伝放送を流して
 いただけではなくて、対岸の中国の情報を
 傍受していたんです。そういうこともあるから、
 沖縄は都合のいい場所であったんです。(p163)


・外務省ではあまり責任感を持たない方が
 出世するんです。特に事務次官になるためには・・
 仕事をあまりやり過ぎないほうが
 いいのかもしれません(吉野文六)(p198)


外務省犯罪黒書
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【私の評価】★★★★☆(83点)



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■目次

1 隠蔽される不祥事
2 公金にタカる官僚たち
3 対マスコミ謀略工作
4 私が手を染めた「白紙領収書」作り
5 「沖縄密約」最後の封印を解く
6 沖縄密約―日本を奇妙な国家にした原点
7 日本外交「再生」への提言



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