「人を見抜く技術─20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」」桜井 章一
2016/06/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
麻雀を通して若者を指導している桜井さんは、どんな指導をしているのでしょうか。ダメな自分を直したい、とやってくる若者に、どう言うのかということです。桜井さんは、性格は直らない。直すのではなく、緩やかにすることはできるかもしれないよ、と伝えるのです。
例えば、判断がぶれて負けたとしても、その人を責めてはいけないという。「人間なら負けることがるのが当たり前。この負けを次に生かそう」と考え、勝負を続けることのほうがずっと大切だというのです。
「うまくやらなきゃいけない」「よく思われたい」と考えてしまう人は、なにもせずに「僕、ダメです」という人もいるという。桜井さんのアドバイスは、そうした固定観念を捨てて、その場その場で最善の手を打っていくことです。なにかをやれば、何かが変わるし、何かを学ぶことができるのです。
・「性格を直したいんです」といってきた道場生に、「自分の性格の嫌な部分を癖だと思え。癖だったら直るかもしれないよ」と返したことがある(p27)
そして、桜井さんは、まず自分を大切にしなくてはならないと言います。だから、お客様に媚びを売る必要はまったくない。ただ、人として自分も相手も大切にすればいいということなのです。
例えば、高飛車な上司、傲慢な上司、怖い上司などに出くわしたら、「囚われないように、囚われないように・・」という意識を働かせることが大事だという。その圧力にコントロールされてはならないということなのでしょう。そういう人たちには、暗い過去があったり、家庭に問題を抱えていたりしていることが多いので、桜井さんはそういう人たちに対しては極力明るく振舞ってあげるというのです。
・人間はまず、自分を大切にしなければいけない。そのうえでかけがえのない大切なものをいくつか持てば、人間は間違いを犯さないと思う(p91)
「"できない人"たちからこそ、多くを学ぶことができる」など桜井さんの深い考えがわかりました。相手に囚われずに自分を大切にする。それは相手が暴力団であっても、命のかかった勝負であっても、同じことなのでしょう。桜井さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・人間は、"まずいな"と感じたときに不必要な動きが出てくることが多い・・・世の中にはまずいものの数のほうが圧倒的に多い。そのことに気づけば、貧乏揺すりをはじめとする体の不必要な動きは徐々に減っていくはずだ(p59)
・ただ強引なだけでは、リーダーシップをとることはできない。みんなで相談して決める、みんなに任せる、そういったいくつものバリエーションも持っていないといけない(p107)
・読者の中で、小学校時の同窓会をやったことのない方がいれば、私はぜひおすすめしたい。同窓会で本音を語り合うのは精神的にもいいことだ。もしかしたら、その中で、自分の忘れていた一面を思い出したりすることもあるかもしれない(p112)
講談社
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 「癖」は心を丸裸にする
第2章 体の動きを見ればすべてわかる
第3章 人間の本質を見抜く方法
第4章 人生を見透す技術
第5章 立ち居振る舞いからタイプを見極める
著者経歴
桜井章一(さくらい しょういち)・・・東京都に生まれる。大学時代に麻雀に触れ、のめりこむ。昭和30年代後半、裏プロの世界で勝負師として瞬く間に頭角を現す。以来、20年間「代打ち」として超絶的な強さを誇り、「雀鬼」の異名をとる。その間、一度も負けなしの無敗伝説をつくった。現役引退後、著者をモデルにした小説、劇画、映画などでその名を広く知られるようになる。現在、麻雀を通して人間力を鍛えることを目的とする「雀鬼会」を主宰し、全国から集まった若者を指導している
読んでいただきありがとうございました!
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