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「日本人の闘い方」齋藤孝

2016/01/03公開 更新
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日本人の闘い方


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー

 平安時代末期に書かれた戦いの極意書「闘戦経」を解説した一冊です。当時知られていた「孫子」の何をやっても勝てばいいとは違って、指導者の胆力を重視しているように感じました。


 つまり、物理的なものも大切ですが、気力や精神力というものを重視しているということです。太平洋戦争でもこのまま何もせずに敗北するくらいなら、戦って滅ぶ道を選ぶんだほうが、その日本人の精神が歴史となって残るといった考え方をしているのです。


・鴟顧し狐疑する者は智者依らず・・狐や鴟(とんび)が迷うように、優柔不断で迷っている人間、決断力のない人間は智者ではない(p96)


 気力や胆力を重視するのは、日本的なところなのでしょう。リーダーは大きな視点で、決断したいし、胆力がなければ人もついていかないのでしょう。齋藤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・我が武なるは天地の初めに在り・・日本人の「武」というものは天地の初めからあるものである・・「武」を秘めている上司であれば部下からリスペクトされるでしょう・・(p14)


・兵者は稜を用ふ・・兵を使う者は、鋭気や威厳といった気力がなくてはならない・・ニーチェは『ツァラトゥストラはかく語りき』の中で、情熱の矢となって飛べ、と説いています(p69)


・嘴無き者は命を全うし難し・・却て、蝮蛇の毒を生ず・・嘴がないと餌が食べられないし・・悩んだ挙げ句、蝮(まむし)は猛毒を持つようになった(p77)


・食して万事足り、勝ちて仁義行なはる。食べることができれば、万事が満ち足りる。戦いに勝てば、ルールもきちんと守られる(p102)


・先ず脚下の蛇を断ち、而して重ねて山中の虎を制すべし・・まずは足下の蛇を始末し、それから山の中の虎を制するのがいいだろう(p130)


日本人の闘い方
日本人の闘い方
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齋藤孝
致知出版社 (2016-01-26)
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)


目次

はじめに――現代ビジネスパーソンに贈る日本最古の兵書
第一章 心に「武」を秘めているか
第二章 常に戦う気持ちを持っているか
第三章 知識や技術が骨身にまで達しているか
第四章 自分の得意技に徹しているか
第五章 剛毅なる心を持っているか
第六章 若い頃から骨を鍛えてきたか
第七章 「断」の訓練はできているか
第八章 正々堂々と戦っているか
第九章 今、あなたは戦っているか
第十章 本気で取り組んでいるか
第十一章 ほどほどをわきまえているか
第十二章 現実に行動しているか
第十三章 覚悟を決めて戦っているか
第十四章 気力は充実しているか
第十五章 自分の特性をわきまえているか
第十六章 師と仰ぐ人はいるか
第十七章 大局的判断をしているか
第十八章 士気を高く保っているか
第十九章 志士の魂を持っているか
第二十章 臍の下に覚悟と気はあるか
第二十一章 蝮の毒を持っているか
第二十二章 本当にそれが必要か
第二十三章 基本を身につけているか
第二十四章 決断力は鈍っていないか
第二十五章 威厳を持っているか
第二十六章 チームの心は一つにまとまっているか
第二十七章 利害を離れて、断固たる決断をくだせるか
第二十八章 燃える火を心の中に持っているか
第二十九章 勝つことに徹しているか
第三十章 敵の弱点を突いているか
第三十一章 ミスを想定して対策をたてているか
第三十二章 部下を信じているか
第三十三章 隙を見せてはいないか
第三十四章 一喜一憂してはいないか
第三十五章 自分は運がいいと信じているか
第三十六章 小であることを歎いていないか
第三十七章 「脚下の蛇」を制しているか
第三十八章 陰と陽は一体になっているか
第三十九章 臨機応変に対処できるか
第四十章 まずは土台がしっかりしているか
第四十一章 無駄な努力をしていないか
第四十二章 鯉のように滝に登る努力をしているか
第四十三章 ピンポイントで攻めているか
第四十四章 迷うことなく突き進んでいるか
第四十五章 空理空論に陥っていないか
第四十六章 自ら選んだ道を全うしているか
第四十七章 気を漲らせているか
第四十八章 得意技を磨いているか
第四十九章 圧倒的なパワーを持っているか
第五十章 勇気や知略だけに頼ってはいないか
第五十一章 心の中に北極星をもっているか
第五十二章 負けない手を打っているか
第五十三章 質実剛健を忘れてはいないか
あとがき――日本人のDNAに連なる『闘戦経』



著者経歴

 齋藤孝(さいとう たかし)・・・昭和35年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法


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