「家族よ、ボケと闘うな!」長尾和宏、近藤誠

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家族よ、ボケと闘うな!  誤診・誤処方だらけの認知症医療

【私の評価】★★★☆☆(76点)


■「65歳以上、5人に1人が認知症
 という2025年の推計ニュースを聞いて
 読んだ一冊です。


 認知症とは、病気なのか、
 それとも、
 物忘れが増えただけなのか。


 お医者さんの間でも、
 議論があるようです。


認知症は、「老化」でもあるし、
 「病気」でもある
といえばいいのか・・
 認知症は病気だ!と言い切る医者ほど、
 とにかく薬で治そうと必死になり、
 いや、老化だ!と割り切る医者ほど、
 治療よりケアの部分に重点を置いて
 対応しようとします(p11)


■意外だったのは、
 認知症になって困るのは、
 本人ではなく家族ということ。


 ふつうのパターンは、
 認知症で家族が困っているので、
 認知症薬でおとなしくさせる。


 本当は、家族が困っているのですから、
 家族に薬を処方すればいいのでは?
 と、この本では提言しています。


 さらに言えば、
 離れて暮らせば問題解決
 ということもあるようです。


・夜中じゅう歌を歌い続ける寝たきりの
 おばあちゃんがいたとします。
 ある家族は「なんとかしてほしい」・・
 ある家族は「いい子守唄だ」と言って喜ぶ・・
 前者には睡眠薬を処方します。
 おばあちゃんに?いえ、家族にです(p18)


■認知症を薬で治そうとする医療への
 問題提起だと思いました。


 薬を処方する前に、
 やることがあるのではないか。


 その治療は、本当に
 患者のためになっているのか。


 そうした問いを
 患者側の私たちも考えておく
 必要があるのでしょう。


 長尾さん、近藤さん、
 良い本をありがとうございました。


────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・間違った医療や介護が、実態以上に
 認知症を増幅させているように感じます・・
 「抗認知症薬をたった1剤やめるだけで、
  別人のように回復
したケース」を、
 僕はたくさん診てきたからです(p3)


・副作用すらも、新たに薬を増やすことで
 抑え込もうとする医者には疑問を感じます・・
 1抗認知症薬の副作用で眠れない→2では、
 睡眠薬を出しましょう→3睡眠薬のせいで
 ぼーっとしています4では、(興奮作用のある)
 抗認知症薬を増やしましょうか(p71)


・抗認知症薬の副作用には、
 「イライラする」という状態があります。・・
 介護者のストレスとなり、結局本人の
 環境悪化に繋がるだけです・・
 服薬のタイミングを少々送らせてでも、
 ますは、環境改善を
 目指すべきではないでしょうか(p41)


・「うつ病」と「うつ状態」は違うもの・・・
 「うつ状態」とは、ショックな出来事をきっかけに、
 食欲もなくなって、何もやる気が起きない状態。・・
 一方、気づけば全く覇気がなく、以前好きだったことに
 興味がなくなった、朝早く目覚めて午前中は調子が
 悪いというなら、恐らく「本物のうつ病」です(p84)


・「本人は幸せそう、しかし子どもは不幸そう」
 というケースによく遭遇します・・ 
 親子関係によっては、親がボケたら一緒に住まずに、
 一定の距離を置いたほうが、お互いが不幸にならず

 済む場合もあるようです(p154)


・大切なことは、あれこれ考えているだけではなく、
 思いつけば試してみることです。
 そのアイデアが、本人に合わなければ、
 変えていけばいいだけのこと。
 「治す」「治さない」よりも、本人に
 「合う」「合わない」を探していくこと(p164)


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長尾 和宏 近藤 誠
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【私の評価】★★★☆☆(76点)


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■目次

1・認知症は老化ですか? 病気ですか?
2・治る認知症、ゆっくり付き合う認知症
3・早期発見、早期治療に意味はあるの?
4・どの科に駆け込むのが正解か?
5・長谷川式か? MMSEか?
6・進行が止まる人、止まらない人
7・4つの薬が有効とされているけれど......
8・なぜ医者は薬の処方を間違えるのか?
9・認知症をうつと誤診する医者
10・「コウノメソッド」で何かが変わる?
11・医者を信じるな? 薬を信じるな?
12・中核症状と周辺症状、どちらを重視する?
13・被害妄想から考える、関わりと環境
14・エビデンス主義は誰を幸せにするの?
15・放置プレイという見守り方
16・介護も進化できるのか?
17・家族よ、ボケと闘うな! 患者よ、ボケを怖がるな!


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