「続・100年予測」ジョージ・フリードマン

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続・100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

【私の評価】★★★★★(90点)


■「100年予測」続編として、
 2014年から今後10年を予測する一冊です。


 まず、驚くのは、ヨーロッパでは、
 復活したロシアとドイツが
 接近するであろう
と予測していること。


 そして、アメリカが採るべき戦略は、
 気づかれないように
 ロシアとヨーロッパの接近を防ぐこと。


 そのために、イギリス、トルコを含む
 ヨーロッパ諸国と二国間関係を拡大し、
 結びつきを強化するのです。


・ドイツが大量に必要とする天然ガスをロシアは
 ふんだんにもっており、ドイツはロシアが
 必要とする技術と専門知識には事欠かない・・
 両国がほかのどの国と結んでいる関係と
 少なくとも同じくらい重要で、
 活力に満ちた関係になるだろう(p236)


■そして、日本周辺では、
 日本と中国が焦点となります。


 中国については、
 基本的に脆弱な国
であると
 分析しています。


 つまり、自由解放すれば不安定となり、
 安定化させるためには鎖国と統制が
 必要となり、経済成長は望めない。


 今後は、中国の経済の衰退と
 自己主張しはじめる日本をなだめながら、
 韓国、オーストラリア等の周辺諸国と
 強力関係を構築しておく。


・日本が、輸入頼みゆえの本質的な不安と、
 アメリカの予測不能性に追いつめられて、
 今後はアメリカへの依存と露出を
 軽減しようとするのは間違いない。
 日本と同様中国も、アメリカと距離を
 置くことができない。中国がアメリカに
 依存しているのは、原材料の輸送というよりは、
 中国製品の輸出先としてである(p256)


■アメリカの各地域に強国を作らないように
 勢力を均衡させ、戦わせ、疲弊させるという
 戦略なのですね。


 現代のマキャヴェッリを
 読んでいるように感じました。


 フリードマンさん、
 良い本をありがとうございました。


────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・第一次世界大戦前に、イギリスのジャーナリスト
 (のちの下院議員)ノーマン・エンジェルが・・
 ヨーロッパ経済の相互依存度が非常に高いことを示し、
 そのような状態で戦争は起こり得ないと論じた。
 もちろん、これが事実でないことは、
 二度の世界大戦が証明したとおりである(p42)


テロリズムは、弱さから生まれる
 それは敵の心理をゆさぶり、テロリストを
 じっさいより強力に見せようとする行動なのだ。
 テロリストは、重大な脅威ではないが、
 そのように扱われることをめざしている。(p118)


・イスラム・テロの根絶は不可能とわきまえつつ、
 それが可能だという印象をつねに与えなければならない・・
 テロリズムはほかのすべてに優先するほどの
 地位に引き上げられるべきではない(p126)


・ユダヤ人はよその大陸から入植して、
 在来民族を立ち退かせたということだ。
 この意味でも、ユダヤ人よりもさらに徹底的に
 先住民を強制退去させたアメリカ人が、  
 パレスチナの土地を奪い在来民族を虐げたといって、
 イスラエルを道徳的に糾弾するのは難しい(p141)


・地震と津波による原子力発電所の破壊と、
 ペルシャ湾の政治危機が同時に起きたことで、
 日本は国としての脆弱さが
 依然解消していない
ことを
 思い知らされた(p8)


・日本ほどの経済規模をもち、それでいて脆弱な国は、
 いつか必ず利益を自衛する方法を探さなくては
 ならなくなる。・・アメリカのとるべき戦略は、
 日本の依存状態をできるかぎり長く引き延ばすことだ・・
 日本を追いつめないよう、
 気をつけなくてはならない(p269)


・好かれ尊敬されることは
 ―好かれることを最終目標と誤解しないかぎり―
 それなりの価値がある。
 アフリカに莫大な援助を与えることは、
 アメリカの評価を高めるのに役立つ・・(p139)


・力の行使はいかなるときも道徳的に疑わしいが、
 アメリカが滅ぼされれば、
 その道徳律は意味を失う。
 口先だけでは普遍的権利を追求することはできない
 力が伴わなくてはならない(p342)


・最初にとりくむべきは、海洋だ。
 アメリカ海軍は、アメリカの戦略的基盤であり、
 宇宙部隊が僅差でこれに続く。
 なぜなら次の10年には、偵察衛星が
 対艦ミサイルを誘導するようになるからだ(p346)


続・100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ジョージ・フリードマン
早川書房
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【私の評価】★★★★★(90点)



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■目次

序章 アメリカの均衡をとり戻す
第1章 意図せざる帝国
第2章 共和国、帝国、そしてマキャヴェリ流の大統領
第3章 金融危機とよみがえった国家
第4章 勢力均衡を探る
第5章 テロの罠
第6章 方針の見直し―イスラエルの場合
第7章 戦略転換―アメリカ、イラン、そして中東
第8章 ロシアの復活
第9章 ヨーロッパ―歴史への帰還
第10章 西太平洋に向き合う
第11章 安泰なアメリカ大陸
第12章 アフリカ―放っておくべき場所
第13章 技術と人口の不均衡
第14章 帝国、共和国、そしてこれからの10年


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