「100年予測」ジョージ フリードマン

| コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

【私の評価】★★★★☆(85点)


■チェスや将棋は
 それなりのレベル同士であれば
 選択肢はごく限られたものになります。


 フリードマンさんは、
 国家の選択肢も同じように
 ごく限られたものになる、
 としています。


 そうした国家の置かれた位置、
 経済、国民性を分析するのが地政学であり、
 そこから未来が見えてくるのです。


・ロシアは軍事力を回復しなくてはならない。
 金持ちで弱いというのは、国家として
 非常にまずい
状態だ。・・富を守り、
 自らを取り巻く国際環境を規定するだけの
 力を持たなくてはならない(p161)


■フリードマンさんの予測する未来は、
 2010年代の中国分裂と
 2020年代のロシアの崩壊です。


 中国は、
 経済が不調となった段階で、
 政府が弱体化し、分裂する。


 また、ロシアも米国と
 冷戦に近い状態となり、
 ソ連崩壊と同じ道をたどる。


 そうした情勢の中で、
 勢力を伸ばしてくるのが、
 日本とトルコというのです。


 そして、2040年代には
 米国の同盟国として勢力を伸ばした
 日本とトルコがアメリカと対立する
 ようになります。


・2020年代のロシアの崩壊と中国の分裂・・
 その機会を利用して、勢力を伸ばしていくのが、
 アメリカと同盟を組んだ、
 日本、トルコ、ポーランド
である(p232)


■本当にそうなるのでしょうか?


 2009年出版された本ですが、
 中国の経済の後退と治安の混乱、
 ロシアとのウクライナでの戦いは
 予想どおりとなっています。


 フリードマンさん、
 良い本をありがとうございました。


────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


中国は本質的に不安定なのだ
 外の世界に対して国境を開放するたびに、
 沿岸部は豊かになるが、内陸部に住む
 大半の国民は貧困のままに置かれる。
 このことが緊張、対立、そして不安定をもたらす(p17)


・アメリカは戦争の申し子であり、
 今なお加速するペースで戦い続けている・・
 アメリカの戦略目標および基本戦略の根源を
 なしているのは、恐怖心である・・
 ローマ帝国は世界征服を目指していた
 わけではない。国の防衛を目指し、
 その目標に取り組むうちに帝国になった(p65)


・日本が2020年代になっても、まだ遠慮がちな
 平和主義国のままでいるとは考えがたい。
 もちろん、日本はできるだけ長くこのスタンスを
 維持するだろう。・・今後日本が人口や経済面で
 重圧を経験することを考えれば、この転換は
 まず避けられないだろう(p215)


・アメリカとて、日本ともトルコとも戦争を
 するつもりはない。アメリカの狙いは、
 ただ両国を締め付けて活力を損ない、
 アメリカの要求に従順されることにある(p257)


・日本とトルコも戦争は望まないが、
 恐怖に駆られてやむなく行動を起こすのである・・・
 アメリカにとってはささやかな要求が、
 両国にとっては自らの存続を脅かす
 要求に思われる(p263)


・宇宙では視界が確保でき、安全な通信が可能なほか、
 敵対的目標をはっきりと追跡することができる。
 したがって戦闘管理の場も、
 地上から宇宙に移るだろう(p272)


・アメリカは学びつつあった。
 焦って戦いに突入すれば、
 確かに衝動はいくらか満たされる。
 だが戦いが起こらないようにー
 あるいは他国同士で戦わせるようにー
 状況をとりしきることの方が、
 実は解決策としてははるかに
 優れているのだ(p321)


100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
ジョージ フリードマン George Friedman
早川書房
売り上げランキング: 21,531

【私の評価】★★★★☆(85点)



楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 

人気ブログランキングへ


■目次

アメリカの時代とは何か
アメリカの時代の幕開け
地震―アメリカの対テロ戦争
人口、コンピュータ、そして文化戦争
新しい断層線
二〇二〇年の中国―張り子の虎
二〇二〇年のロシア―再戦
アメリカの力と二〇三〇年の危機
新世界の勃興
二〇四〇年代―戦争への序曲
戦争準備
世界戦争―あるシナリオ
二〇六〇年代―黄金の一〇年間
二〇八〇年―アメリカ、メキシコ、そして世界の中心を目指す闘い


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ20.png
にほんブログ村



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読 スポンサードリンク

コメントする

QR_Code.gif
左記QRコードまたはこちらから、空メールを送信してください。
※空メールに返信がない場合、ドメインbookmag2.comを指定受信リストに設定してください。


全テーマ(カテゴリー)

>月別(2002年7月~)

最近のコメント

  • ryo: 名言セラピーは、全部読みました。 とても好きな本です。 いつも私の知らない本の書評で、 読書の指標になってますが、 こうして読んだ 続きを読む
  • 本のソムリエ: 中国製を辞めて、PRC(People's Republic of China)とは、頭いいですね。 国際関係で誠意を期待してはいけ 続きを読む
  • haru: こんにちは。 中国関連本といえば、こちらもお薦めします。 『メイド・イン・PRCの恐怖』郡司和夫著。桜の花出版。 PRCって、なん 続きを読む
  • KH: Kindle読み放題が始まってから、先日ソムリエ様がまとめてご紹介下さった本を順番に読んでおります。 どれもいい本でしかも読み放題 続きを読む
  • sano: サラとソロモンを読んで、今まで以上に幸せな状態自分の心地良い状態とは一体どういったことなのだろう、何だろう?とさらに考えるようにな 続きを読む
  • (´・ω・`): 自分が買ったアイリスオーヤマの商品が2回連続で不良品の理由がこの概要でなんとなく理解できました、自分の場合は安物買の銭失いでした。 続きを読む
  • 清水 優: 「鈍才が7件もの多彩な異業種で何故成功出来たのか」の著者です。お忙しいところ、極めて正確に幣趣意をお汲み取り頂き、適切なコメントを 続きを読む