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「プロパガンダ教本」エドワード バーネイズ

2015/10/04公開 更新
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プロパガンダ教本


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

 1928年にアメリカで出版された広報・宣伝の技術についての一冊です。90年前にとはいえ、テレビとインターネットがないだけで、基本的な考え方は同じなのです。つまり、同じ情報を提供することで、何百万人もの人が同じ考えになってしまうということです。広告やPRというものは、社会集団に対し、メディアを通して、集団に特定の考えを植え付ける仕事なのです。

 
 例えば、選挙という仕組みがある中で、いかに、自分の意見に賛同してもらうかが民主主義では重要です。だからこそ民主主義では広告・宣伝が重要であり、発達してきたということなのです。この本では、新聞は今も昔もプロパガンダに用いられるメディアであり、恣意的な記事を掲載したり、優れた記事をボツにすることで、情報を操作してきたと指摘しています。


 私が注目したのは、教師という職業が、生徒の心の中で大きな位置を占めていると著者が指摘しているところです。日教組を乗っ取った勢力が日本の教育をゆがめていると指摘されていますが、そうした勢力は「プロパガンダ」の本質を理解しており、戦略性を持って活動していると言えるのでしょう。


 バーネイズさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・世の中の一般大衆が、どのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすることは、民主主義を前提にする社会において非常に重要である(p28)


・「プロパガンダ」・・この言葉は、国外伝道の管理と監督のために、1627年にローマで制定された枢機卿の委員会、聖者に適用されたものだとわかる。また、伝道司祭の教育のためにウルバヌス八世によって創設されたローマのプロパガンダ大学についても用いられた(p45)


・大衆に密接な公共サービス事業(電力、ガス、水道など)は常に大衆の不満の恰好の標的となる。だからこそ経営側は細心の注意を払って大衆から好意的に評価されるように努めなければならない(p121)


・第一次世界大戦ではドイツ兵に「野蛮なフン族のアッティラ」というイメージを植え付け、アメリカ国民のドイツに対する敵意を増幅させるというやり方が採られた。新聞報道でも漫画や記事でドイツ兵の残虐性をことさらに強調するものが多かった(p234)


・彼は「お菓子(スイーツ)を食べると太るが、タバコを吸えば痩せる」というメッセージを医者たちが参加する団体を通して発信させた(p239)


▼引用は下記の書籍からです。
プロパガンダ教本
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エドワード バーネイズ
成甲書房
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


目次

現代日本の読者へのまえがき
第1章 大衆をコントロールする
第2章 新しいプロパガンダの誕生
第3章 新しいプロパガンディストたち
第4章 心理学を応用したプロパガンダ
第5章 巨大化する企業と大衆の関係
第6章 プロパガンダと政治家のリーダーシップ
第7章 女性たちもプロパガンダを使って団結する
第8章 教師や学校だってプロパガンダを行なうべきだ
第9章 芸術と現代ビジネスとプロパガンダ
第10章 プロパガンダのメカニズム―どのように伝わるか?
訳者解説 パブリック・リレーションの創始者、エドワード・バーネイズ



著者経歴

 エドワード・バーネイズ(Edward Bernays)・・・「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれるアメリカ人広報マン。1891年ウィーンで生まれ1995年に没したが戦争宣伝から商品の売り込みまで、ありとあらゆる宣伝活動(プロパガンダ)に従事した。心理学者ジークムント・フロイトの甥であり、多様な心理学手法を駆使して世論操作、大衆の合意形成を行なう。「プロパガンダという技術をプロパガンダする」目的で書かれた本書は、W・リップマン『世論』と並び、PRマン、広告関係者必読のバイブル的な存在となっている。


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