「モーツァルトと量子力学」糸川 英夫

| このエントリーをはてなブックマークに追加

モーツァルトと量子力学 (PHP文庫)

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■ロケット開発の父、天才といわれる
 糸川先生のエッセーです。


 脈絡はないのですが、
 テーマは世界的な研究者だけあって
 日本と海外の文化比較が多い。


 糸川先生からすると、
 日本は資源のない島国でありながら、
 なんとか経済成長してきた
 変わった民族なのでしょう。


・電気冷蔵庫は、ただし、アメリカと違って、
 土地の下に石油のない国なのだから、はるか
 かなたの中東から石油が幸運にも運搬移動
 されている間は、アメリカなみに作動しているが、
 油が切れて、電気が切れたら忽ちアウトである(p59)


■これだけ人・物・金が
 世界を移動するようになると、
 国際性を持った人材が欠かせません。


 外国の人といかに
 うまく付き合っていくか、
 ということです。


 そのためには、独りで海外旅行をしてみよう。
 できれば長期間滞在して
 生活してみることを推奨しています。


・「国際性」を持つということは、
 世界の各地に「土地カン」を持つことがベースだ、
 と私は考えている。・・・その方法の一つとして
 提案してみるのが、このエッセーのテーマ
 「海外旅行一人旅」のすすめである(p242)


■糸川先生は天才だと思いましたが、
 本人は自分が感動したことを
 ただ突き詰めているだけなのかもしれません。


 探究することが好き。
 すきだからやる。
 だから天才なのです。


 糸川さん、
 良い本をありがとうございました。


─────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・一つの技術が生まれる背景を度外視して、
 モーレツに吸収し、日本という土壌の中に、
 強引に植え付けて、独自のものにしてしまう
 バイタリティは、異常なものと言えよう(p64)


・氏いわく、・・韓国のどこへ行っても、
 秀吉の韓国侵略の被害の話で・・・
 「怨念」と民族の関係について
 ツキツメて考えこむことになった。
 そこで八重洲のブックセンターに二日通って、
 「怨念」に関する本を全部買うことにした(p136)


・科学技術雑誌も、一種の週刊誌と同じように、
 エンターテイメントが必要で、「面白く」なければ
 ならないのに、「解説」ばかりが出て来る。
 このあたりはクラッシックの音楽会のプログラムと
 同じで、「解説」である(p177)


・テヘラン大学の助教授というシロニー氏は
 「日本とユダヤだけが、非キリスト教国で文化、
 経済、技術で成功を収めた民族で、非キリスト教徒
 であるために、世界の問題児、異端とされ、時として
 弾圧され、いわれない批判も受ける」という(p204)


・ユダヤについて弦楽器奏者の優れた人を
 出しているのは、日本と言われている(p6)


・アメリカでは文科系志望が多い。中身は、「法律」と
 「経営」ビジネス・スクールである・・
 ここを出ないと一流会社の管理職になれない、となると、
 Bスクールの花盛りになる。
 以上の背景には「エンジニア」は所詮、管理される立場で、
 中世のギルド制度を思わせる「職人」の延長線上にある。
 つまり「技術者」軽視である・・・日本は随分違う(p273)


・ケプラーの法則を高校の物理の時間に習った時は
 大きな衝撃をおぼえた。・・・
 物理学で二回目のショックは、量子力学、・・・
 アインシュタインの相対性原理は、
 大学の工学部の物理学で習った。・・
 簡単明瞭な結論が出て来たときは、
 大変ショックであった・・
 どれも私の人生の中の大きな感動であり、
 宇宙の「美学」であった(p189)


・アレルギー性鼻炎・・・鼻の穴の中に、
 食塩水を注入することを思いついた。・・・
 この頃は、食塩のほかに
 「ウガイ薬」も併用している(p118)


モーツァルトと量子力学 (PHP文庫)
糸川 英夫
PHP研究所
売り上げランキング: 203,331

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■目次

景気をよくする法
「ごうまん」という落とし穴―日本文化の原点を見る
「工学博士」だけのカルテット―「音学」から「音楽」へ〈1〉
家元とコンクールの違いと共通性―「音学」から「音楽」へ〈2〉
本物の音楽を聴いたとき
「テクノロジーよ、お静かに」
江夏投手の話から
「電気冷蔵庫」の不思議さ
マーケティングは、同じ数字でも動機が違うのだ
「液体の磁石」という妄想
無視という不毛の批判
演奏家と顔
日本語と読心術
フィリップ公の予言は当たったか
空想の楽しみ


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングへblogrankings.png


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ20.png
にほんブログ村


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読 スポンサードリンク
関連記事

>月別(2002年7月~)