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「プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法 」石井琢磨

2014/08/26公開 更新
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プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 弁護士という仕事は、法律の知識はもちろんですが、コミュニケーションと交渉力が大事です。なぜなら、弁護士の仕事は、敵意を持った相手との交渉だからです。相手もプロの場合、感情的な演技をしてくることもあり、それにも対応できなくてはなりません。


 つまり相手が怒っていたとしても、本当は演技しているのではないかと疑う必要があるのです。暴力団も怒ったりなだめたりして、良い条件を相手から引き出そうとする手法は同じなのです。


・相手が敵対心を向けてきても、一度疑ってみることを提案しました。疑うことで、相手の「怒り」や「敵対心」が演出である可能性にも気づけます(p21)


 この本では、感情→論理→感情で対処することを推奨しています。つまり、まず相手との信頼関係を作る。そのうえで、交渉を始めるのです。さらに正しい情報を多く持っている側が、交渉では有利になります。自分のことはよくわかっていますから、相手のことがわかれば、道は見えてくるのでしょう。


 ですから交渉では、交渉相手がどういった地位でどういった権限を持っているのか、確認したうえで交渉します。できれば全権限を持ったオーナーと交渉するのがベストなのです。


・情報を集めましょう。その中で、優先的に得たい情報が、「相手のタイムリミット」と「他の選択肢」なのです(p136)


 交渉の技術は、この本を読めばわかります。勉強して、試してみればだんだんと技術は身に付くでしょう。しかし、最後に残るのは、自分の心のコントロールです。どんな相手に対しても、自分の心を平静なままにしていけるのかどうか。ハードルは高そうです。


 石井さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・面白くない話・・・我慢して聞こう。相手の話を聞く行為にはメリットがあります。打算的に聞きましょう(p46)


・相手の感情の矛先を「他に向ける」という方法も有効です。すなわち「共通の敵をつくる」(p20)


・相手が怒っているときには、もちろん誠意を持って対応しますが、相手の負の感情を感じすぎないようにし、一線を引きます。・・・悪い感情はスルーし、良い感情のみ捕まえて乗っかる(p197)


相手の気持ちを反映させたように見せる・・・具体的な要求があった場合には、抽象化した条項にまとめるのも有効です(p82)


・知人の弁護士は「裁判は勝ったら自分のおかげ。負けたら裁判官のせいにする」と言っていました。自分を守るためにはこのような考え方もときには必要でしょう(p194)


・たとえば、ものすごくツラく苦しいと感じる状況にあったとしましょう。そのときは、自分を50%だけ未来に飛ばす・・・未来から現在の状況を見たら、「これはあとで活かせる、成長につながる」(p218)


プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法
プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法
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石井琢磨
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【私の評価】★★★★☆(85点)


目次

序章 「相手のペース」にハマってないか?
「心理戦」は避けられない!
1章 まずは警戒心を解こう
この「友好ムード」で手強い相手は〈従順〉になる
2章 敵対関係から連帯関係へ
ムダな争いを避ける「落とし所」の見つけ方
3章 コレで納得感がさらに増す
ムリせず誘導できる「五つの心理技法」
4章 狙いどおりの「合意」を得られる!
論破されない「交渉術」
5章 負の感情に支配されない方法 経験を肥やしにする!
折れないメンタルのつくり方



著者経歴

 石井琢磨(いしい たくま)・・・神奈川県生まれ、弁護士。相模川法律事務所代表。幼少時から家族が次々と壺を買わされ、自身も絵画・会員権を買うよう個室で長時間取り囲まれるという、ダマされ環境で育つ。弱者の生活を侵害する強者の存在に怒りを覚え、悪質業者と闘うために弁護士資格の取得を決意し、偏差値35 から中央大学法学部に合格。1日平均12時間以上の勉強を続け、在学中に司法試験一発合格。2001年に弁護士になるも、勤務先事務所が悪質業者からの相談を受けたことに疑問を抱き、独立する。日本全国で被害が発生した消費者事件の弁護団に複数加入。悪質商法・詐欺などの被害者を中心に、助けを求める弱者の事件を断らずに受任し、独立1年目から平均的弁護士の4倍である180 以上の事件に関わる。現在も、消費者問題、借金問題、交通事故などを中心に、弱者側に立ち続けた弁護活動を続けている。


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