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「迫り来る日本経済の崩壊」藤巻 健史

2014/07/23公開 更新
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迫り来る日本経済の崩壊


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 円安による日本復活を予想する藤巻さんの一冊です。藤巻さんは以前から円安誘導を主張していましたが、なかなか実現しませんでした。そうした中、安倍首相と黒田日銀総裁はアベノミクスということで、市中に資金を豊富に供給して、円安誘導をしているのです。著者もアベノミクスによって、大幅な円安になるのは間違いないとしています。


 円安になれば輸入品が高くなり、インフレ傾向となります。インフレ傾向となれば、現金預金からインフレに強い株や不動産の値段が上がるのです。こうした「資産価格の上昇こそが、景気回復の原動力になる」というのが、著者の主張なのです。株や不動産の値段が上がれば、保有者がお金持ちになった気になり、消費を増やすのです。


・税金で50兆円集め、社会保障費で40兆円を再配分。これで財政が破綻しないわけがない(p147)


 本来なら、もっと早く調整が入って、円安になってもいいはずなのです。多くのトレーダーが円安を予想して散っていきました。ここまで円高が続き、財政赤字が累積するのは予想外だったでしょう。それだけ日本の国債を購入する仕組みが、強固だったのです。


 それでも著者は、外貨をお勧めしています。その理由は、「日本が財政破綻をしたときの備え」として「一種の保険」なのです。


・ゆうちょ銀行は、いまでも資産の65.3%を国債購入にあてています。一時は88%でした。ゆうちょ銀行が米国の金融機関なら考えられないポートフォリオです(p38)


 しかし、借りたものは返さなくてはなりません。蓄積されたものが大きければ、反動はそれだけ大きくなります。いずれ、財政破綻すれば、超円安になって日本は復活する


 それを分かったうえで、そうなったら耐えがたきを耐えていく、という心の準備が必要なのだと思います。藤巻さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・長期金利が上昇したら、日本経済はただちに一巻の終わり・・・その後は大幅円安によって、日本経済は急速に回復する(p12)


為替とは、まさに値段そのもの(p70)


・ドル預金の為替差益は、雑所得です・・・ドルのMMFでは、譲渡益が非課税です。為替差益を含む譲渡益に関して、公社債投資信託では課税されないからです(p210)


▼引用は下記の書籍からです。
迫り来る日本経済の崩壊
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藤巻 健史
幻冬舎
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

1章 財政破綻のリスクは日に日に高まっている
2章 アベノミクスで景気は本当によくなるのか
3章 このままいけばハイパーインフレまっしぐら
4章 量的緩和に出口はあるのか
5章 なぜこんなに借金を抱え込んでしまったか
6章 財政再建の道はあるのか
7章 大丈夫か、黒田総裁?
8章 財政破綻はいつ起きるのか
9章 日本は必ずよみがえる
10章 いまからでも遅くない! 資産を防衛する秘策



著者経歴

藤巻 健史(ふじまき けんじ)・・・フジマキ・ジャパン代表取締役。1950年生まれ。74年大学卒業後、三井信託銀行入行。85年モルガン銀行に入行。資金為替部長、東京支店長等を歴任し、銀行の自己売買取引で巨額の利益を上げ、「伝説のトレーダー」と呼ばれる。2000年退行後、(株)フジマキ・ジャパンを設立、ジョージ・ソロスの投資アドバイザーとなる。


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