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「大賀典雄 孫正義 感性の勝利」佐藤 正忠

2014/06/15公開 更新
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大賀典雄 孫正義 感性の勝利


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

ソニーはCDを捨てる感性がなかった

平成7年のソニーの大賀会長とソフトバンク孫社長の対談です。大賀会長はCDを世に出して、ソニーを大きくし、社長を出井さんにバトンタッチしています。当時、ソニーはCDからMD、そしてDVDに移行しようとしてる時代。


歴史を見ると、音楽の媒体はCDから、単なるデジタルデータとしてダウンロードされることになります。しかし、ソニーはCDを捨てる感性を持つことができなかったようです。


・感性のない人をいくら磨いても光るものではありません・・ところが現実はどうかといいますと、感性を持った人を逆に会社がつぶしてしまうケースが多いですね(大賀)(p13)


孫社長は一勝負に打って出る

孫社長は大学時代に、一日一つ発明すると決め、一年間で250ほど実用新案的なアイディアを考え出し、その中一つの電訳機がシャープに1億円で特許契約でライセンスし、ソフトバンク創業資金となるのです。ソフトバンクでは、出版部門が赤字を出して、六誌のうち五誌までが赤字となり、各雑誌ごとに細かく分析して編集者と喧嘩をしながら手を打ち、半年後に五誌を黒字に持っていったという。


孫社長は当時39歳で、5000億円ほどかけて、コムデックス、ヤフーなどに投資をしています。その後の歴史を見れば、ヤフーBBのADSLサービスやヴォーダフォン買収を行います。人生計画どおり40代の一勝負に打って出たのです。


・20代で、自分の業界に名乗りを上げる。次に30代で軍資金を貯める。軍資金は現金で最低1000億円必要です。そして、40代で一勝負して、何か大きな事業に打って出る。50代でそれを完成させて、60代でつぎの経営陣にバトンタッチする(p128)


バーチャルカンパニー(仮想企業)

ソニーは大賀さんまでは、既存の事業を破壊する商品を生み出すことができましたが、その後は、後継者がいなかったようです。一方、孫社長は、創業者として自分が中心となって既存の事業を破壊、新規事業を創造していくのです。


興味深かったのは、孫社長は京セラのアメーバ経営のように社内の組織を10人以下のチームにわけて、それぞれのチームを一つのバーチャルカンパニー(仮想企業)と考えて、独立採算制を取り入れていたことです。


ソニーが凋落しはじめる変曲点と、ソフトバンクが躍進する変曲点が奇妙に一致した対談だと思いました。佐藤さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・大賀さん、経営というものがぼんやりわかってくるのに10年かかるんだ。あなたはいま20代。いまからスタートすれば30代で経営の何たるかがわかってくる。だからあなたはここでスタートしなければだめなんだよ(盛田)(p69)


・企業というのは結局、人と人があやなして成り立っているわけです。一人の力でできるものではない。と同時に、企画を決めるトップの能力でその会社の行方も決まります(大賀)(p85)


発明には三つしかパターンがない・・・一つは問題解決法です・・・二つ目は、水平思考です。これは、丸いものを四角に・・三つ目は、組み合わせ法です(孫)(p163)


大賀典雄 孫正義 感性の勝利
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佐藤 正忠
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


目次

プロローグ なぜいま「感性」が必要か―現代企業社会で生きる条件
第1章 「感性の原点」は何か―初めて語る「私を育んできたもの」
第2章 「人との出会い」が感性を育む―どんな人から影響を受けているか
第3章 逆境の時・決断の時いかに処すか―困難を乗り越えるための感性
第4章 「先」を読む眼を養う―勝ち残る人間はどこを見ているか
第5章 これから経営者には何が必要か―変革の時代に必要な戦略、思考術
第6章 未来をどう生きるか―経営者として、そして人間としての道



著者経歴

孫 正義(そん まさよし)・・・ソフトバンク株式会社代表取締役社長。1957年佐賀県生まれ。アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校経済学部卒業。1981年日本ソフトバンクを設立。以降、ベンチャービジネスの革命児として、第一線を走り続ける。2003年ブロードバンド推進協議会設立、代表理事を務める。福岡ソフトバンクホークスのオーナーでもある。


大賀典雄(おおが のりお)・・・ソニー株式会社名誉会長、日本経済団体連合会顧問。1930年静岡県沼津市生まれ。1953年東京芸術大学卒。1957年ドイツベルリン国立芸術大学卒。1953年に東京通信工業株式会社(現ソニー株式会社)へ嘱託社員として入社し、1959年に正式な社員として入社する。テープレコーダー、ラジオ、テレビ、コンパクトディスク、ミニディスクなどの商品化を手がける一方で、CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)をゼロから立ち上げる。1982年代表取締役社長、1995年代表取締役会長。2000年取締役会議長。2003年名誉会長に就任。


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