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「嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え」岸見 一郎、古賀 史健

2014/06/11公開 更新
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嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

アドラー心理学の考え方を、哲人と若者の対話を通して教えてくれる一冊です。私も知りませんでしたが、アドラーさんの考え方は、成功哲学そのものです。まず、自分の人生は他者が決めるのではなく、自分が決めるということです。


ところが思い込みや、社会の常識や、過去の経験から自分の求めるものがわからなくなってしまっている人が多いのです。そうした他者の考えや、外部からの圧力に左右されるのではなく、自分がどうしたいのかわかっているのか、自省してみるべきなのです。他人の期待を満たすために生きてはいけないのです。


・問題は世界がどうであるかではなく、あなたがどうあるか、なのです(p6)


また、人は人を操作しようとします。それはアメであったり、ムチであったりします。だから人から操作されたくなければ、他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできないのです。


一方、操作する側から見て、人をアメとムチで操作しようというのを否定するのがアドラー心理学で す。人を操作しようということ、それ自体が傲慢なのでしょう。人は自分で自分の運命を決めるべきなのです。経験したいことを経験すべきなのです。


ですから、アドラーはアメとムチではなく、勇気づけてあげる。人が自ら考え、動くことを援助・支援するのが良いのです。人を信じて支援するのです。


・叱ってはいけない、ほめてもいけない・・・われわれが他者をほめたり叱ったりするのは・・・背後にある目的は操作です(p198)


過去の人から受けた思い出は、良いものにもなるし、悪いものにもなります。叱られた経験から、「俺はダメな人間だ」と考えるのか、それとも「あの経験があるから、今がある」と考えるのかということです。自分で過去の経験を自分のプラスに変換していけるのが、人間なのです。


あなたが人生の中で10人の人と会ったとしたら、1人はあなたを否定するでしょう。しかし10人のうち2人はあなたと親友になるのです。あなたにできるのは、あなたを否定する1人に注目するのか、それとも親友の2人に注目するか選択する勇気なのです。


・自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである(p10)


外部からの影響を排除し、自らの判断で人生を切り開いていく。そのためには、嫌われる勇気が必要でありアドラーさんはそれを伝えたいのだと思いました。これこそ、巷で言われる成功哲学の一つです。岸見さん、古賀さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」(p147)


・あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。・・・あなたには、ただ"勇気"が足りない。(p53)


・彼は、祖母からこういわれました。「お前の顔を気にしているのはお前だけだよ」と。それ以来、彼は生きていくのが少しだけ楽になった(p97)


・大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである(p44)


・人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる(p206)


嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見 一郎 古賀 史健
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(85点)


目次

第1夜 トラウマを否定せよ
第2夜 対人関係がすべてである
第3夜 他者の課題を切り捨てる
第4夜 あなたの居場所はどこにあるか
第5夜 幸福に生きる条件とは



著者経歴

岸見一郎(きしみ いちろう)・・・哲学者。日本アドラー心理学会認定カウンセラー。日本アドラー心理学会顧問。1956年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。前田医院精神科勤務後、専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的に執筆・講演活動を行っている。多くの大学の非常勤講師を務める。


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