「日本が危ない―危機逆転への戦略」糸川 英夫

| コメント(0) | このエントリーをはてなブックマークに追加

日本が危ない―危機逆転への戦略

【私の評価】★★★★★(90点)


■世界には多くの予言の書がありますが、
 「ノストラダムスの大予言」に匹敵する
 一冊だと思います。


 この本が発行されたのが1987年。
 バブル最盛期です。


 この本の予言しているのは次のとおりで、
 ほとんど当たっているのが、怖い。


 日本経済バブルは大恐慌と同じ状況
 八郎潟の干拓はムダ
 円高誘導は、日本経済を潰すため
 日本人は円高でも頑張るから、もっと円高になる
 欧米の裁判で、多額の賠償金を取られ続ける
 ハイテクは簡単に真似できるので儲からない
 ディスプレーは薄くなる
 物を輸出するのではなく、日本の文化を輸出する
 日本の海外進出が進む、でもまた戻ってくる
 日本人もユダヤ人のように差別される


・(秋田県の)八郎潟の干拓が計画されていた・・私の考えは・・
 二十年もかかって完成が昭和50年になるようなものなら、
 おやめになったほうがいい。たぶんそのころには、日本は
 お米があり余っているだろうから、それは無駄な計画ですよ(p23)


■糸川さんは「天才」と言われますが、
 本当に未来を見通せる人がいることに驚きました。


 その考え方は、逆張りです。


 視点を変える。
 普通とは違った視点を持つ。


 カッコよく言えば、パラダイム変換でしょうか。
 (本人は、"デセンター"中心をずらすと表現)


・コンピュータの世界は、日進月歩で、・・
 どんどん進んでいくのに、表示装置のブラウン管は、
 50年前の技術とほとんど変わりがないのである・・
 コンピュータの表示を見るというのは、
 平面に描いてある絵や字を見ることと同じだから、
 一枚の絵と同じ厚さでいいはずだ(p190)


■糸川さんは、日本の経済が低迷するのは、
 他国からの敵意(嫉妬)がなくなるので、
 逆に良いのだとも言っています。


 日本人は、キリスト教、イスラム教から見れば、
 ユダヤ人以上に異端なのです。


 一人勝ちはあぶない。


 糸川さん、 
 良い本をありがとうございました。


───────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・日本の航空母艦には非常に優秀な艦載機が搭載されていたが、
 敵の航空機を打ち落とすための高射砲の数が少なかった・・・
 軍部上層部に、空を守るという発想が欠落していたのだ(p20)


・1973年に起こったのが、第一次オイルショックである・・・
 この事件が起こる少し前、経団連の国際会議場で
 「日本のエネルギーの将来を考える」というシンポジウムがあった・・
 私は・・石油の値段は上がるのではないだろうかと主張した。
 案の定、私は大変な非難を浴びた(p26)


・"財テク"狂奔は「花見酒」の愚行・・土地の値段というのは、
 主としてそれがどれだけ生産性をもつかで決められるべきなのに、
 現在のような値上がりを待つだけの土地投機ということになると、
 これはギャンブルである・・
 1929年の世界大恐慌も株と土地の投機が引き金であった(p38)


・日本はもう一年半も円高に悩まされ続けている・・・
 ふと太平洋戦争中の新聞論調を思い出してしまった。
 緒戦では「勝った、勝った」の大合唱、B29の空襲を受けると、
 今度は「一億玉砕、百年戦争」の大合唱、
 真相をついたものはなにもなかった(p265)


・『USニュース&ワールド・リポート』という週刊誌がある・・
 1985年9月2日号で、「USvsジャパン」という大特集・・
 「アメリカの労働者たちは闘いに勝てるだろうか」・・・
 日本にはなぜこのような議論がないのだろうか・・
 日本人の"繁栄ボケ"のあらわれの一つと言えるかもしれない・・
 労働者一人当たりの生産性では、アメリカのほうが約20%高い(p86)


・日本政府の国債発行高は140兆円に達している。
 赤ちゃんからおじいさん、おばあさんまで含めて、
 国民一人当たりから約百万円の借金をしている勘定になる。
 政府の収入は年間300兆円で、そのうち140兆円が借金(p154)


・日本にはかなりの量の石炭がある。あるにもかかわらず、
 炭鉱はつぎつぎに閉山で、石炭の火はまさに消えようと
 している。・・「なければ、あるところから買えばいい」
 といった調子で、日本人は苦労をしていないため、
 考え方が非常に安易である(p127)


・日本の教育は、明治以後、なんでもヨーロッパの
 真似をして制度だけをつくった。敗戦後も占領軍の
 意向にしたがってアメリカの制度に合わせたものを
 つくった。・・・日本民族に合った教育制度を
 確立することが先決だろう(p264)


・古代イスラエル王国がローマ帝国に西暦紀元一世紀ごろ
 滅ぼされたあと、ユダヤ人は世界に散っていく・・・
 日本人も、言うまでもなくアーリアンではないし、
 キリスト教とは違った宗教をもち・・・もし日本が
 ヨーロッパにあったとしたなら、その迫害のされ方は、
 ユダヤ人以上であったに違いない・・日本人も遅かれ、
 早かれユダヤ人と同じ道を歩まされる恐れがある
(p109)


・55歳で定年を迎えても、平均寿命80歳だから、
 単純計算してもあと25年残っている。
 ここからもう一度、新しい人生が始まるのだという考えをもって、
 具体的なプランを立てなければいけない・・・(p222)


日本が危ない―危機逆転への戦略
糸川 英夫
講談社
売り上げランキング: 961,668

【私の評価】★★★★★(90点)


■目次

第1章 なぜ、いま危機的日本論か
第2章 「ゴキブリ日本人」の繁栄ボケ
第3章 極度の逆境を知らない日本人の脆さ
第4章 大破局への予兆
第5章 日本人を待ちうける意外な陥穽
第6章 危機逆転へのイノベーション


この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
36,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読 スポンサードリンク

コメントする

QR_Code.gif
左記QRコードまたはこちらから、空メールを送信してください。
※空メールに返信がない場合、ドメインbookmag2.comを指定受信リストに設定してください。


全テーマ(カテゴリー)

>月別(2002年7月~)

最近のコメント

  • HA: 会社組織で仕事を上手く進めていく指南書。 わかりやすく、自分のためになる本であった。 また、他の人にも勧めたい。 続きを読む
  • ryo: 名言セラピーは、全部読みました。 とても好きな本です。 いつも私の知らない本の書評で、 読書の指標になってますが、 こうして読んだ 続きを読む
  • 本のソムリエ: 中国製を辞めて、PRC(People's Republic of China)とは、頭いいですね。 国際関係で誠意を期待してはいけ 続きを読む
  • haru: こんにちは。 中国関連本といえば、こちらもお薦めします。 『メイド・イン・PRCの恐怖』郡司和夫著。桜の花出版。 PRCって、なん 続きを読む
  • KH: Kindle読み放題が始まってから、先日ソムリエ様がまとめてご紹介下さった本を順番に読んでおります。 どれもいい本でしかも読み放題 続きを読む
  • sano: サラとソロモンを読んで、今まで以上に幸せな状態自分の心地良い状態とは一体どういったことなのだろう、何だろう?とさらに考えるようにな 続きを読む
  • (´・ω・`): 自分が買ったアイリスオーヤマの商品が2回連続で不良品の理由がこの概要でなんとなく理解できました、自分の場合は安物買の銭失いでした。 続きを読む