「小説 中江藤樹(上・下)」童門 冬二

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小説 中江藤樹〈上〉 (人物文庫)

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■陽明学を勉強しようと手にした一冊。


 中江藤樹は陽明学者であり、
 近江聖人とさえ言われています。


 その実はといえば、
 人と喧嘩はするし、人の言動に一喜一憂するし、
 私には、勉強好きの普通の人に思えました。


・わたしは四十五歳ぐらいまでは、まだまわりから
 どう見られるか、その毀誉(けなされたり褒められたりすること)
 を気にしていた。が、今は次第にその心が消えつつある(上p18)


■当時は、文字を読めるだけでも
 学があると言われた時代であり、
 このくらいでも評価されたのだと思います。


 さらには、中国の書を読んで
 研究しているわけですから、
 大したものです。


 そういう意味では、
 成功哲学が溢れている現代なら、
 だれもが成功できる、聖人になれる
 環境は整っているのだと思います。


・仙境とは・・・常世の国のことだ・・
 人間が不老不死になるだけでなく、
 人間が常に悪心や欲心を持たずに、
 他人のことを心配し合うという世の中のことだ(上p164)


■この本で「桃源郷」という理想の国の
 話が出てきました。


 悪人がおらず、他人のことを心配し合う国家。


 割と今の日本は「桃源郷」に近いのかも
 しれないと思いました。


 外国から来た人でも、
 お金がなければ生活保護で生活できますからね。


 「桃源郷」の日本が滅びないよう
 努力したいと思いました。


 童門さん、 
 良い本をありがとうございました。


───────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「人間が怒る時は、その怒りの真因は別なところにある
 という言葉を改めて噛みしめてみた(上p273)


・不遇な境遇に陥ってはじめて、
 他人の本心を知ることができる(下p69)


・敵性を帯びた大名は全部遠くへ飛ばした。
 収入を増やして遠くへ飛ばすというやり方は、
 「敬遠人事」といわれる。
 今でもしきりにおこなわれる(上p73)


・城の勤務はこの頃大体四つ時(午前十時)から
 八つ時(午後二時)ぐらいが標準だったという。・・
 それに昼飯を食うのだから、一体いつ仕事をするのかと
 疑いたくなるようなのんびりした状況だった(上p87)


・「身を修める」というのは、個人の努力である。
 この文章は、「個人の努力が、結局は天下を治めることに
 つながっていく」ということだ。そして、その段階を、
 「身を修め、家を斉え、国を治める」という行程を示し、
 さらに、ではなぜ国を治めるのかといえば、それは、
 「天下に明徳を明らかにするためだ」といい切る(上p142)


小説 中江藤樹〈上〉 (人物文庫)
童門 冬二
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【私の評価】★★★☆☆(71点)

■目次

<上>
その男のこと
近江国小川村
処士への道
武士の変質
米子から伊予大津へ
"明徳"
風早郡奉行
桃源郷の実現
処士をめざす
事 件
"肱川あらし"
圭角の人
新谷藩行き
宇都宮拙斎
若い門人たち
大洲城大講義

<下>
御用学者
林羅山への挑戦
睾魚之泣
春愁
脱藩
帰郷
馬方の又左衛門
"厩火事"
鯉と盆栽
地域の人々
大洲からの客
愛敬
馬の心、木の心
藤樹会所
加賀左七郎入門
藩山と藤樹
誰かこれありや


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