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「「独創力」で日本を救え!―国際化のための逆転の発想」糸川 英夫

2014/01/23公開 更新
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「独創力」で日本を救え!―国際化のための逆転の発想


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー

■戦闘機「隼」を設計し、
 その後、ロケット開発に尽力した
 糸川先生の一冊。


 もちろん、小惑星イトカワは
 糸川先生にちなんだもの。


 糸川先生が警鐘を鳴らすのは、
 日本の独創力不足です。


外国の政策審議会は、実に十数か国の人々によって構成されている。ところが、日本の政府の審議会の場合は、メンバ-のすべてが日本人というのが当たり前のようになっている。(p39)


■独創力の点で、
 日本人が学ぶべきはユダヤ人です。
 知恵と独創力で生きのびてきたユダヤ人。


 このユダヤ人の考えるための仕組みが、
 週1日の安息日と、
 六年の一度のシャバットなのです。


 シャバットでは、なんと一年間、
 どんな仕事もしてはいけないという。


 完全休息しながら、
 頭を働かせるということなのでしょう。


・原点から断ち切り、新しい発想を生むためには一年くらいの休みは絶対に必要である・・・悲しいかな、週に一日の完全休息さえとれないというのが、日本の現実なのである(p35)


■確かに、なにもせず考える時間を作ることが
 大事であると思いました。


 しかし、実際にそうした時間を作るのは難しい。
 自分の習慣の見直しが必要なようです。


 糸川さん、 
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・イスラエルでは、それぞれが異なった意見を述べあうが、NOということ、すなわち批判することが全くない。子どもたちは、ほかの子供たちのさまざまな意見の中から、自分がよいと思う考えを吸収していく・・・(p61)


・日本人が努力しなければならないのは、単なる発想をシステム思考にまで高めていく訓練を積むことだ。そして、人間同士の組織をいかにつくり、いかにそれを持続させるかということにかかっている(p79)


10人が10人とも景気がよくなるというようなときが、いちばん危険・・景気の見通しがよいと世の中が口をそろえて叫ぶときは、いままでの経験法則からいっても必ず逆の現象が起きる・・(1990年の)日本のNTTのPERを計算してみると、アメリカ企業よりも一桁大きいという、信じられない数字になっている(p115)


・日本人は過去を消しゴムで消して忘れられる民族であるけれど、欧米とかアラブ、イスラエルの人たちは、"記憶の民"といわれるほど、何千年前のことまで、克明に記憶する民族である(p15)


・マサダ要塞・・・ローマ軍が、自分たちのいる山上にまで攻め込んでくる日がやってくる。・・・ユダヤの人々は決議によって、岩山の上で全員自殺を遂げてしまう。西暦73年のことである・・・全員が自殺するような状況になる前に、敵を事前にたたけと教え込むのであろう(p55)


「独創力」で日本を救え!―国際化のための逆転の発想
糸川 英夫
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【私の評価】★★★☆☆(75点)



目次

1 新鎖国主義のすすめ
2 シャバットのすすめ
3 モデレーター・ジャパン
4 独創教育とはなにか
5 反面教師としての平賀源内
6 夢は科学の原動力
7 能とイマジネーション
8 快適さの追求ばかりが科学ではない
9 カラオケ亡国論
10 乃木希典とナショナル・アイデンティティ
11 テクノ・エコノミー社会からの脱却をめざそう
12 親殺しは日本的現象だ
13 伝統農業からのデセンター


著者経歴

 糸川 英夫(いとかわ ひでお)・・・・日本の工学者。(1912年7月20日生まれ、1999年2月21日没)専門は航空工学、宇宙工学。ペンシルロケットに始まるロケット開発で「ロケット開発の父」と呼ばれる。1967年、東大を退官し組織工学研究所を設立。


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