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「信念をつらぬく」古賀 茂明

2013/08/21公開 更新
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信念をつらぬく (幻冬舎新書)


【私の評価】★★★☆☆(71点)


要約と感想レビュー

最近テレビで見ない古賀 茂明さんの一冊です。役人のときから、自分のやりたいことをやってきたという。それが麻布中、高校の伝統だったのです。


自分の経験から官僚制度の限界を指摘しています。例えば、経済企画庁財政金融課に係長として出向したときには、素人の自分が経済見通しをまとめるのですから、「役所は素人の集まり」であるとしています。


著者の認識は、ごく普通の人たちが官僚制度のもとで、悪意なく素人でも仕事をやらさられ、悪意なく天下りというシステムにのまれていくのです。だから官僚を責める気持ちにはなれないという。官僚が国民のために働きたくなるようなシステム作りこそ目指すべき姿だと主張しているのです。


また、アメリカが、公正な競争を阻害していると批判している日本の経済政策については、基礎産業局が昔から「行政指導でカルテルを行っている」という噂があったことを指摘し、「日本は裏で不透明な行政指導をやって、公正な競争を阻害している」らしいのです。


改革派というよりも、自分で考えて国家として良いと思うことをやっている印象でした。仕事を改革しようとするとき守旧派から抵抗を受けるのですが、そのときは、マスコミに対して背景などを解説することで世論を動かしてきたという。古賀さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・各局の筆頭課長補佐は省の重要な政策を決定する「法令審査委員」を兼務していました・・・非常に強い権限を持っていたといえます(p122)


・(GE)最高責任者のジェフ・イメルト氏は、フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューにおいて、「原発を経済的に正当化するのは非常に難しい」と言ったそうです(p201)


信念をつらぬく (幻冬舎新書)
信念をつらぬく (幻冬舎新書)
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古賀 茂明
幻冬舎
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【私の評価】★★★☆☆(71点)


目次

序章 肩に力を入れすぎないから、ここまで来られた
第1章 最初からやりたいことがある人なんていない
第2章 愚痴るかわりに行動する
第3章 うまくいかないからこそ、おもしろい
第4章 しがみつかない。でも、あきらめない
終章 変化を楽しむ



著者経歴

古賀茂明(こが しげあき)・・・
1955 年、長崎県生まれ。1980 年東京大学法学部 を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。 大臣官房会計課法令審査委員、産業組織課長、 OECD プリンシパル・アドミニストレーター、産業 再生機構執行役員、経済産業政策局課長、中小企 業庁経営支援部長などを歴任。2008 年国家公務 員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進 的な改革を次々と提議。2011 年 3 月の東日本大震 災と福島第一原子力発電所の事故を受け、日本で初めて東京電力の破綻処理策を提起。その後、経 産省から退職を勧告され辞職。2011 年、大阪府市 エネルギー戦略会議副会長として脱原発政策を提言。


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