「経済は感情で動く」マッテオ モッテルリーニ

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経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

【私の評価】★★★★★(90点)


■市場経済においては、
 経済合理性が最優先される傾向にあります。


 しかし、そうした市場経済の中でも、
 人間がかかわることで、
 合理的でない結果がでる場合があります。


 そうした人間の感情と錯覚について
 実例を示しながら研究する一冊です。


・品質も価格も上級クラスの三番目のモデルが現れると、
 大方の人が真ん中のモデルを選んだ。いちばん安いモデルは、
 先ほど50%の人びとが選んだのに、
 今度は五人に一人に減ってしまった。(p40)


■この本のすごさは、日常の中の矛盾から、
 お金の錯覚、リスクの錯覚、
 感情による間違いなどを
 大量の実例で説明してくれるところ。


 私が一番共感したのは、リスクのところで、
 報道によって人のイメージが
 操作
されるということです。


 いかに、マスコミ報道が力を持っており、
 統計的にはいい加減なのか、
 ということなのでしょう。


・チャーター機が二機墜落すると、
 糖尿病で死ぬより航空機事故で死ぬ確率のほうが
 高いと思ってしまう。これはおそらく、
 航空機事項のほうが新聞記事になりやすく、
 頭に浮かびやすいからなのだ(p79)


■私たちは錯覚の中で生きている
 ということがよくわかりました。


 それにしても内容が充実しすぎで、
 読むのに疲れました。


 これは本というより論文でしょう。


 モッテルリーニさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「コンコルド機にはずいぶん投資したのだからそれを
 スクラップに回すことはできない」とはいうべきではない・・
 投資を注視してその計画を放棄するのが
 将来の利益につながるなら、そうすべきなのである。(p61)


・ニューヨークのタクシー・・・運転手たちは
 毎日の目標額を決め、その日の売上げがその額に達すると
 仕事をやめていた・・・しかし経済的観点あらすれば、
 運転手は売り上げが多い日によく働き、少ない日には 
 さっさと引きあげて自由時間を楽しむべき
なのだ(p106)


・消費者は割合の表示に容易に乗せられやすい。・・・
 携帯電話を買うときには1000円節約したくて十分走るが、
 テレビを買うときは同じ金額の節約になっても走らない)
 のように、矛盾した結論を出すこともある(p151)


・ドイツでは毎年10万人の女性が、癌がないのに
 マンモグラフィーでみつかったとして乳房切除の手術を受けている。
 毎年何千人という男性が、前立腺の早期診断が
 死亡率を減らすという確証もないのに、検査を受けている(p161)


・磁気共鳴画像によれば、金額が同じなら、
 宝くじで当たった人からもらったりした場合より、
 自分で稼いだときのほうが、
 報酬に関連する脳の部位が活発になる(p289)


経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
マッテオ モッテルリーニ
紀伊國屋書店
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【私の評価】★★★★★(90点)


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■目次

パート1 日常のなかの非合理
1 頭はこう計算する
2 矛盾した結論を出す
3 錯覚、罠、呪い
4 「先入観」という魔物
5 見方によっては得
6 どうして損ばかりしているの
7 お金についての錯覚

パート2 自分自身を知れ
8 リスクの感じ方はこんなに違う
9 リスクとの駆け引き
10 知ってるつもり
11 経験がじゃまをする
12 投資の心理学
13 将来を読む

パート3 判断するのは感情か理性か
14 人が相手の損得ゲーム
15 怒れるニューロン
16 心を読むミラーゲーム
17 理性より感情がものを言う
18 人間的な、あまりにも人間的なわれわれの脳

おしまいに 怠け者の経済学


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