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「ココダの約束 遺骨収容に生涯をかけた男」チャールズ ハペル

2013/05/11公開 更新
本のソムリエ
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ココダの約束 遺骨収容に生涯をかけた男

【私の評価】★★★★☆(81点)


■「ココダ」とは
 日本軍とオーストラリア軍が戦った
 パプアニューギニアのココダ街道です。


 ココダでの戦いでは、
 日本側約13,000人、
 オーストラリア側約3,000人もの
 犠牲者が出ました。


 この戦いから生き残った西村幸吉さんは、
 「死んだら必ず遺骨を拾ってやる
 という約束を果たすために、25年間も
 戦友の遺骨を収容し続けました。


・西村はかつて、死んでいく戦友たちに向かって「いつか必ず、俺はお前たちのために戻ってくる」と約束したのであり、その誓いを果たすのは彼の義務だった(p26)


■西村さんは、国の支援もなく
 私費を投じて、一人でパプアでの
 遺骨収容を続けてきました。


 地雷探知機とシャベルひとつで、
 遺骨を探すのです。


 家族は反対し、絶縁となる。
 国の支援はなく、不動産を売り払う。
 遺骨を運ぶための船を日本から
 自分で操縦して運ぶ。


 あらゆる困難にも、
 戦死した友との約束を守るためには、
 西村さんの障害にはならないのです。


・この遺骨の中には自分を救うために死んだ人間がいる。いわば、この遺灰は自分の家族よりも大切なのだ(p199)


■今はわからない昔の日本人のすごさを
 感じました。


 230万の英霊が天国で私たちを
 見守っていることでしょう。


 そして、この本を書いたのが
 オーストラリア人であったというのも、
 オーストラリアの強さを示すものだと
 思います。


 ハペルさん
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・私は「遺骨収集」という言葉に大変悲しい思いをしております。たとえば航空機事故などの場合、まさか「遺体を収集」しましたとは申しませんでしょう。(西村幸吉)(p1)


・自分は生き残り、彼らは死んだという事実以上に、自分が生き残れたのは彼らの助けがあったからだ、と思っていた。(p140)


・マラリア、デング熱、草原熱、細菌性赤痢・・・ほとんどの兵士が腸疾患に苦しみ、ひどい場合は垂れ流し状態で軍袴を着けるのもままならなかった(p98)


・ココダ街道と北部海岸の戦いで、日本軍は連合国軍よりもずっと多くの兵士を失っている。オーストラリア人とアメリカ人犠牲者の合計3095人に対し、日本人は1万3000人が犠牲となった。しかしココダ街道を訪れてみると、日本人の戦死者を弔う記念碑はほとんど見当たらない。(p201)


・パプアニューギニアの北部一帯では、戦後になって日本軍に協力した(荷物運びを手伝った、等)という理由で、多くの地元民がオーストラリア植民地政府によって絞首刑、あるいは鞭打ちの刑などに処されているのである・・・(p13)


・何十万という男たちが祖国と政府のために命を犠牲にしたのに、戦後の復興で忙しい政府は、戦死者に感謝の意を表すのをためらっているようだった。まるで自国が戦争をはじめ、あれほどの数の死者と大きな破壊をもたらしたことを恥じているかのような態度に見えたのである(p141)


ココダの約束 遺骨収容に生涯をかけた男
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【私の評価】★★★★☆(81点)



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■目次

第一章 頭蓋骨
第二章 幼少時代
第三章 兵士
第四章 ニューギニア
第五章 ブリゲードヒル
第六章 撤退
第七章 白豚と黒豚
第八章 帰郷
第九章 仕事
第十章 残留日本兵
第十一章 家族
第十二章 着手
第十三章 始動
第十四章 弁当箱
第十五章 一本木
第十六章 船乗り
第十七章 遺灰
第十八章 遺品
第十九章 頭蓋骨 そのニ
第二十章 政府の職員として
第二十一章 帰還
第二十二章 今西
第二十三章 慰霊祭
第二十四章 幸子
エピローグ 最後の姿


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