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「国境の島を発見した日本人の物語」藤岡信勝

2012/11/03公開 更新
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国境の島を発見した日本人の物語


【私の評価】★★★☆☆(71点)


要約と感想レビュー

 何かと騒がしい国境問題ですが、国境の島の歴史をまとめた一冊です。


 竹島
 樺太
 北方領土
 小笠原諸島
 南鳥島
 沖ノ鳥島
 尖閣諸島


 こうしてみると、いっぱいありますね。例えば、尖閣諸島でいえば、1992年に中国が領海法を制定して尖閣諸島の領有宣言をしたとき、日本は何も反論しなかったのです。反論もしなければ、尖閣諸島に上陸したり、建物を建設することもしていません。何か、中国との密約があったのでしょうか。


 私にとって無知だったのは、小笠原諸島と南鳥島です。特に、南鳥島は海上自衛隊、気象庁、海上保安庁の職員が30人くらいが交代で駐在しています。そして、南鳥島は、明治時代にアメリカと領有権で争ったという事実があります。アメリカも日本人が住むやミッドウェー島を自国に編入しようとしていたこともあり、タイミングの良さと、先人の努力で日本の領土となっているのです。


・南鳥島が領土に編入された四年後・・明治35年(1902年)・・アメリカの実業家ローズ・ヒルという人物が、この島は我々のものであると、その領有権を主張してきたのである(p194)


 こうした領土の歴史は、基本として知っておく必要があるのでしょう。尖閣諸島のことも、いずれ歴史に記録されることになるのだと思います。藤岡さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・国際法には「無主地先占」という原則がある。「無主地先占」とは、どの国の領土にも属さない無主の土地を自国領とする際、その国が他国に先んじて、その土地を実効的に占有していなければならない(p199)


・「隣国によって一平方マイルの領土を奪われながら膺懲(ようちょう)の挙に出ない国は、その他の領土をも奪われてゆき、ついには領土を全く失って国家として存立することをやめてしまうであろう。(イェーリング『権利のための闘争』)(p262)


・文化三年(1806年)、フォストフら(ロシア)は樺太南岸になる日本人の番屋を次々と襲撃し、番人を捕え倉庫等を焼き払った。翌年には、択捉と国後の番屋や会所に砲撃・銃撃し、アイヌ人を含む日本人数名を射殺した。(p100)


▼引用は下記の書籍からです。
国境の島を発見した日本人の物語
藤岡信勝 自由主義史観研究会
祥伝社
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【私の評価】★★★☆☆(71点)


目次

序章 国境の島々と日本人の領土意識
第1章 竹島―時代とともに名を変えた紛争の島
第2章 樺太―北の守りと樺太探検に命をかけた男たち
第3章 北方領土・千島列島―北方領土・千島列島を学ぶ授業
第4章 小笠原諸島―欧米から領土を取り戻した幕末のサムライたち
第5章 南鳥島―冒険家水谷新六が開拓した絶海の孤島
第6章 沖ノ鳥島―最南端の小島は日本のダイヤモンド
第7章 尖閣諸島―古賀辰四郎が追いかけた鳥と夢



著者経歴

 藤岡信勝(ふじおか のぶかつ)・・・1943年、北海道生まれ。北海道大学大学院教育学研究科博士課程単位取得。北海道教育大学助教授、東京大学教育学部教授、拓殖大学教授を歴任、現在は拓殖大学客員教授。1995年、教室からの歴史教育の改革を目指して自由主義史観研究会を結成。1997年、「新しい歴史教科書をつくる会」の創立に参加し、現在同会理事・教科書企画編集委員長。


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