「ニセモノ師たち」中島 誠之助

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ニセモノ師たち (講談社文庫)

【私の評価】★★★★★(95点)


■「いい仕事してますねぇ」の
 中島さんの一冊です。


 鑑定団では切り口の良いコメントが
 印象的ですが、本書もすばらしい。


 テレビではわからない
 中島さんの経験を
 ニセモノ骨董品との関わりから
 教えてもらいます。


・目利きの父でしたが、趣味人でもありました・・・
 蒔絵の名品や精緻な細工ものを手にして
 「いい仕事だねえ」と感心している様子を
 見て育ったものですから・・(p59)


■骨董の世界にはニセモノがあります。


 中島さんでさえ、
 ニセモノを買ったことがあるし、
 ニセモノを売ったものもある。


 中島さんのお話を聞いていると
 まったく不正のない人は
 ほとんどないのかもしれません。


 ただ、プロはその中で
 稼がなければならないし、
 心の誇りも維持しなくてはならないのです。


・「目利き儲からず」という言葉が昔から
 骨董界にありますが、目利きにして人品卑しからず
 という人の商いは、それほど儲かるものではない(p35)


■中島さんの昔話は
 サスペンスや推理小説のような
 ドキドキ感でした。


 プロを騙すプロもいる。


 あれはホンモノだったのか?


 こんな裏があったとは!


 これは映画になりそうだ。


・まず最初に安いホンモノを提供し、
 あるいはホンモノで相手を儲けさせておいて、
 その後でそれを上回る高額のニセモノを提供すると、
 だいたい落ちる、ひっかかる。(p42)


■骨董商というものは、
 本当は買う側になりたいのだ、
 という言葉が印象的でした。


 好きなものを商売にすると、
 趣味とは違う苦しみが出てくるという
 ことなのでしょう。


 中島さん、良い本を
 ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ニセモノが、ジャカルタやバリの骨董店にわんさかあります
 ・・日本人観光客に三十万とか五十万などという中途半端な、
 それも結構いい値段で売ることができる(p130)


・仏教美術の先生を紹介されたそうです。
 古美術の世界で「先生」と呼ばれる人ほど
 気をつけたほうがいい
ものはない。(p118)


・掛軸は、非常にむずかしい世界です。・・
 尾形乾山の掛軸は、同じ作品が、鑑定する学者の
 学会における力関係によってニセモノと判断されたり、
 ホンモノと鑑定されたりしています(p173)


・誰と誰が競り合ったかを聞いただけで、
 相関関係がフワーッと浮かび上がり、・・・
 骨董商の仕事は、表は情報戦であり、
 裏ではシンジケートの育成にあるといえます(p258)


・人の足をひっぱる業者というのは結局、
 みんなから総スカンを食い、相手にされなくなるから
 取引もできなくなる。・・・消え去るのみですね。
 「つねに相手を称えて、同時に自分を売る」(p261)


ニセモノ師たち (講談社文庫)
中島 誠之助
講談社
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【私の評価】★★★★★(95点)



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