「人生教習所」垣根 涼介

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人生教習所

【私の評価】★★★★★(93点)


■小笠原諸島で「人生の落ちこぼれ」を対象とした
 自己啓発セミナーが開催された。


 そこに参加した、
 元ヤクザ、東大生、デブ女が、
 セミナーを受けながら
 ちょっとずつ変化していく小説。


 人の心の描写がすごい
 不思議な自己啓発書でした。


その立場を手に入れた瞬間の自分を想像することにより、
 その立場を手に入れたあとで
 実際にどういう生活を送っていきたいか、
 そのことを考える方がさらに大切でしょう(p97)


■セミナー自体は、
 成功への確率、
 心の持ち方、
 目標設定の仕方など
 普通といえば普通。


 小笠原諸島という
 自然に囲まれた環境と合わせて
 参加者が人生を考えて、
 変わっていくことがわかります。


 自己啓発セミナーって
 こうやって人生を考え直すきっかけになるんだな、と
 再認識しました。


・あるクラスメートが、ため息をつきながらこう言いました。
 『世の中はくだらん』『人間もくだらん』と。
 するとその脇にいた友人がニヤリと笑って・・
 『そりゃおまえがくだらん人間じゃけ
  周りがそう見えとるんじゃなかろうかいのお』(p124)


■ヤクザもんと東大生のかけあいも面白いが、
 小笠原諸島の歴史も面白い。


 これは小説なのだろうか。


 自己啓発セミナーの擬似体験といえば、
 そうともいえる。
 自己啓発セミナーに行きたくなりました。

 
 垣根さん、良い本を
 ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・つまり着地点とは、
 その距離を遠くに置けば人生の目標になり、
 近くに置けば、日々の心持ちになる・・・。(p116)


・心持ちとは、その本人が今見えている世界を
 どう捉えているか
ということですね。
 その捉え方の大元になるのは、
 どういう自意識の持ち主か・・・(p123)


・やることはやった。結果はいまさらどうにもならない。
 なら、前向きな想像をした分だけ得だということだろう。
 もう一度笑う。人生を楽しくやり過ごすコツなんて、
 意外とこんな些細な考え方の積み重ねかも知れない(p168)


・今の日本人自体、自分のこと以外では
 あまり悩まなくていいような
 生活環境になっているのかもしれない・・・
 自分のことしか考えなくなると、
 人はどうしても脆弱になる
(p390)


人生教習所 (2011-09-30T00:00:00.000)
垣根 涼介
中央公論新社
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【私の評価】★★★★★(93点)

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