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「ルネッサンス ― 再生への挑戦 」カルロス・ゴーン

2012/02/17公開 更新
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ルネッサンス ― 再生への挑戦


【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー

 1999年、日産が倒産の危機からNRP(ニッサンリバイバルプラン)を発表し、立ち直って、直後に読んだ一冊です。これまで、ご紹介していなかったことに 気づいていまさらながらのご紹介です。


 現在、日産は2008年のリーマンショックで一時赤字になりましたが、それ以外は黒字を維持しています。日産の車自体はあまり好きではありませんが、商売としてはしっかりしているといえるのでしょう。工場閉鎖や取引先見直しにより、日産は甦ったのです。


・従業員や家族の問題があったため、工場閉鎖という選択肢は見送られ続けていた。・・1999年10月18日、NRP発表時に私はこう言った。「実際に痛みを伴うことは承知のうえです。しかし、たとえいかなる痛みを伴おうと、工場閉鎖は残った工場の生産性と費用効率の著しい向上をもたらすことでしょう」(p183)


 日本の現場は一流と言われますが、ゴーンさんの経営の結果を見ると、日産の経営は一流でなかったことがわかります。ゴーンさんが日産に入ったことで、結果が変わってしまったのですから、それまでの経営者は何をしてきたのか。


 ゴーンさんの経営の特徴は、自分を含めた経営陣に求める「緊張感」だと思います。結果がでなければ退場。会社に価値をもたらすことができなければ去れ、ということです。


日産に価値をもたらすことができなくなれば、そのときが会社を去るときである。会社にどれだけ貢献できるか-それがすべてである。関連会社の社長が結果を出せなかったら、責任をとってもらい、結果を出せる人間と交代するというのがビジネスの世界のやり方だ。(p169)


 ということは、日本も経営がしっかりすれば、まだまだ戦えるということ。しかし、口では簡単に言えることこそが、本当に難しいことなのでしょう。 


 ゴーンさん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ラグロヴォール神父はその後の人生にも十分通じる教訓を与えてくれた。・・「アマチュアは問題を複雑にし、 プロは明晰さと簡潔さを求める」(p21)


・まず耳を澄ませなさい。考えるのはそれからです。大事なのは、自分の考えを可能な限り分かりやすい方法で表現するよう努め、何事も簡潔にし、自分でやると言ったことは必ずやり遂げることです(ラグロヴォール神父)(p22)


・まずはプロセスをきちんと踏まなければならなかった・・高コスト体質を改善し、債務を削減し、製品開発に投資し、ブランドを確立し、マーケティングや営業を整備し、流通網を活性化し、合理化する。優先順位に沿ってこうしたことに着手し、考えられることをすべてやり遂げたあとで、ようやくマーケットシェアの成長が望めるのである(p65)


・ただ「早くやってくれ」と頼むのではなく、「わが社はこの問題を克服したいと思っている。一緒に問題解決のための仕様を決め、手順を確立したいから協力してほしい。それができたら、いちばん良い方法で実施してもらいたい。そのための援助なら、わが社は惜しまない」と頼むべきだ。(p126)


ルネッサンス ― 再生への挑戦
カルロス・ゴーン
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★★(94点)



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