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「懸命に生きる子どもたち」池間 哲郎

2011/10/14公開 更新
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懸命に生きる子どもたち


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

 「あなたの夢は何ですか。私の夢は大人になるまで生きることです」とほぼ同じ内容でした。NPOアジアチャイルドサポートで子どもたちを支援している池間さんが、日本で講演している内容を本にしたものです。


 フィリピンのゴミ捨て場でゴミを拾っている子どもたちは、貧乏の中で必死に生きています。池間さんがゴミを拾っている子どもたちと、近くの公園にピクニックに行きました。みんな「こんなご馳走食べたことがない」と大喜びです。そこに4歳くらいの少女がやってきて「お家に持って帰って、お父さん、お母さんと一緒に食べて良いですか」と聞いたという。なぜか涙が出てきますね。


 例えば、ある子どもの父親は病気で働くことができず、母親は夜中に市場に出かけ段ボール箱などを集めている。その少年は、朝の7時にレストランにやってきて、周辺の掃除を行い、それから靴磨きを夜10時ごろまでやっているという。子どもたちに「あなたの一番欲しいものは何ですか」と聞いてると、ほとんどの子どもたちが、「私が一番欲しいものは、お母さんですと答えるという。


 日本にいると、日本の素晴らしい点が見えないものです。お金もある、食べ物もある、家もある、水も自由も平和もあるのにです。逆に一歩、海外に出てみると、そうした当たり前のことがない国が存在する。それは知識で知っていても、実感を知ることは難しいのかもしれません。


・ミャンマー・・・小学校では250名余りの児童が学んでいます・・・水道がないのに気が付いた。「どのような水を飲んでいるのか」と気になり調べてみると雨水を水がめに貯めて飲んでいた。水がめを見て驚いた。真っ黒に汚れた水でした(p34)


 ハンセン病のところでは、手も足もなく「殺してくれ」と叫んでいた女性が立ち直り、老人の世話をするようになり、最後には結婚するという話がありました。感動します。最後にこの本の伝えたいことは、寄付をしてくれということではありません。池間さんの一番大切なボランティアは何かという問いかけに衝撃を受けました。それは自分自身が一生懸命に生きること」なのです。あなた自身が、恵まれた日本で、一生懸命に生きてほしいということです。


 実際の池間さんの講演を聴きたくなりました。池間さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・カンボジア、ミャンマー、モンゴル・・・驚くのは弟や妹を膝に抱きながら勉強している子が多いことです。お父さん、お母さんが仕事をしている時には、お兄さん、お姉さんが小さな弟や妹の面倒を見ながら勉強をする(p48)


・皆さんの優しい心を少しだけ分けてください。100%の愛は要りません。1%だけでいいのです。私は100円が無くて失われる命を見てきました。(p105)


懸命に生きる子どもたち
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池間 哲郎
NPO歩人アジアチャイルドサポート
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【私の評価】★★★★★(92点)



著者経歴

 池間 哲郎(いけま てつろう)・・・1954年生まれ。NGOアジアチャイルドサポート理事。JAN(ビデオ撮影・制作業)代表。沖縄大学非常勤講師。おもにアジアのスラムなどの貧困地域に撮影や支援のために足を運び、講演、写真、ビデオなどを通して伝えている。


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