文藝春秋
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【私の評価】★★★★☆(89点)
■戦えない軍隊として自衛隊は
有名ですが、
その理由を再検証する一冊です。
北朝鮮の工作船に防衛出動が発令されたことが
ありましたが、
かなりの時間がかかるようです。
中国も尖閣諸島を侵略するのなら、
今のうちかもしれませんね。
・防衛出動が発令されるまでの流れ・・・
「事態対処専門委員会」が対処への基本的な方針を審議・・・
内閣総理大臣はこれを「安全保障会議」というものに諮らな・・・
ようやく閣議にかけることができる(p39)
■自衛隊の弱さは、
1 法令が実情に合っていない。
2 前例踏襲の訓練と装備と配置。
3 自衛官のサラリーマン化
というところでしょうか。
政府に守られた業界の
大企業と同じような症状です。
・領空侵犯の可能性があれば戦闘機を発信させ、
領空侵犯前に進路変更させる・・・しかし、
武器使用の条件が極端に厳しく、正当防衛、
緊急避難以外では攻撃できない(p131)
■自衛隊と政治家に期待はしますが、
実際には黒船のような
大事件が必要なのかもしれません。
尖閣諸島の漁船衝突事件が
危機感醸成のきっかけにでも
なればいいのですが。
中村さん、
良い本をありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・日本では、海外で生命の危険にある日本人を救出するため、
自衛隊機や自衛艦を派遣することができない。
物理的な能力はあるのだが、自衛隊法をはじめ、
法的な問題でできないのだ。(p56)
・「野戦型」から脱却、市街戦を重視せよ(p106)
・国産といえども、製造に必要な部品や材料の大半は
輸入に頼っている。その部品の製造過程をたどれば、
全部が輸入と言っていい。・・・所詮は輸入なら
完成品を買ったほうが早い。(p124)
・日本の軍隊は昔から作戦中心で、
情報を軽視してきた。
例外は戦国期くらいのものだ。(p180)
・外国では、日本のような精密な地形図は市販されていない。
・・・恥部は国防上の秘密だからだ。この点でも、
我が国は安全保障感覚が世界とは違う。気象情報も同様だ(p183)
・92年の領海法で尖閣諸島を勝手に自国の領土として
いるのだ。中国からすれば、尖閣諸島侵攻は
侵略ではなく、領土の回復という名分がある。(p154)
・北朝鮮の工作員は、韓国に侵入する際は武装しているが、
日本に侵入する際は武器を携行しないほうが安全だ
といわれている・・・日本の法律と警察は、我が国の国益を
甚だしく侵害する外国工作員も大事に扱ってくれる(p189)
・敵前で、特科(砲兵)の突撃支援射撃の間をじっと耐え、
砲撃の最終弾着弾とともに、ガバと跳ね起きて
銃剣をきらめかせて敵陣に突っ込む・・・
いまだにそういう訓練をしている(p110)
<確かに、近くの駐屯地で同じような突撃訓練をしていた・・・>
・私の知る限り、余暇に戦術書を読んだり、
戦史の勉強をしたりする自衛官は九牛の一毛である。
それを自衛官のサラリーマン化という(p202)
・陸上自衛隊がルワンダ難民救援に派遣された・・・
駐屯地付近で実弾が飛び交う事態が発生した。このため、
指揮官は監視塔にいる隊員を避難させようとしたが、
すでに勝手に避難していたという・・・
旧陸軍刑法なら死刑に相当する罪だ。(p217)
・入庁後間もない二十代の若い内局の部員(初級の尉官相当)
が、三十代の古参3佐(少佐)を捕まえて「下っ端の自衛官」と
暴言を吐くのを直接耳にしたことがある(p65)
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