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「武富士 サラ金の帝王」溝口 敦

2011/03/24公開 更新
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武富士 サラ金の帝王 (講談社+α文庫)


【私の評価】★★☆☆☆(66点)


要約と感想レビュー

 ニュースで、「武富士」元会長から株式を贈与された長男が約1330億円!の追徴課税を受けていたが、最高裁で追徴課税が取り消された、と聞いて、本書を紹介することにしました。


 「武富士」元会は合法的に贈与税を減らすため、長男を香港に居住させ、その上で贈与したようです。国は利子の約400億円を上乗せして、約2000億円を還付したという。


・街金融は三ちゃん金融(父ちゃん、母ちゃんなど)などと呼ばれるが、基本的にその発展型が現在のサラ金大手ということになろうか。(p137)


 本書は30年も前の本ですので、サラ金の生まれた背景や、成長の軌跡がわかります。質屋と違い、担保を取らずに気軽に借りられるサラ金という業種が、時代に合っていたのでしょう。覚せい剤を飲まされて死亡した紀州のドン・ファンが、コンドーム販売から富豪になれたのも貸金業でした。


・アイフルを創設し、現に率いているのが弱冠三十九歳、社長福田吉孝・・・我々は無担保で貸しています。当然事故率を勘定に入れないと、会社がたちいかない。-事故率、つまり貸し倒れ償却率はどのくらいです。福田 3.8パーセントです(p174)


 現在サラ金は、グレーゾーン金利の過払い請求で経営が厳しいようです。私、個人の感覚では、リスクの高い人にお金を貸していたサラ金はそれほど悪くないと感じています。


 生産性のないギャンブル、パチンコと比べればお金の必要のある人にリスクを負って貸してくれる会社なわけです。さて、サラ金業界はどうなっていくのでしょうか。


 溝口さん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「サラ金は麻雀と同じなんです」「麻雀の点数は二四、四八、九六・・・サラ金も同じで、資本は一年で二倍、二年でその二倍・・・ サラ金規制法施行前のありふれた金利、年109.5%とは一年で倍以上になる(p46)


・武井さんの口癖に"豪は色を好む"というのがあります。単に女性を好きなだけじゃなく、女を口説き落とせないような男はダメだって意味に使っていたようです。武井さんは商売の基本は女を口説くのと同じだと考えていたんでしょう(p68)


・資金調達先・・・都銀など有名金融機関の名は一切出ていない。・・・そうしたかんじんの金融機関は武富士の子会社である(株)東輝リースに貸すかたちで、間接的に融資する。(p88)


・ヤミ金・・・貸すのは五万から、多くても十万円まで。それ以上は貸さない。利息は十日で一割、貸した時間が夕方六時でも一日に数える。・・・十万円借りて一割の利子なら、パチンコで遊んでも返せると相手は考える。ここがわしらのつけめだ(p325)


・都銀の幹部・・・サラ金に十億円を融資したとします。そのうち五億円を自発的に当座に入れていただく。当座には利子がつきませんから、つまり実質的には五億円を貸して十億円の利率をいただくわけで、これだと7%の利子といっても実際には14%(p226)



【私の評価】★★☆☆☆(66点)



著者経歴

 溝口 敦(みぞぐち あつし)・・・1942年生まれ。暴力団や中国マフィアから宗教、食の安全まで幅広く調査、レポートしている。ノンフィクションの著書多数。


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