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「図解 これならできる山づくり―人工林再生の新しいやり方」鋸谷 茂

2010/06/26公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

■日本の森林は、間伐が行われず
 放置されているところが多いと
 言われています。


 これは、間伐、枝打ちなどの手間をかけても
 採算が合わないためです。


 そのために国では間伐に【補助金】をつけて
 間伐の搬出、販売を推奨しています。


■この本では、間伐・搬出しても
 採算が合わないという事実を直視して、
 搬出しない間伐を提案しています。


 間伐材を売るのではなく
 「最終伐採材」だけを
 売るという考え方です。


 そのために、間伐では、
 そのまま切り倒して放置するか、
 立ち枯れさせるのです。


 特に立ち枯れさせる間伐方法は、
 切り込みを入れたり、樹皮を剥ぐだけなので
 手間がかからず効率的にやれそうです。


・伐るべき木を立ち枯れにする「巻枯らし間伐」を行う。これによって、木は倒さないけれども、間伐に近い空間が生まれる。残された木は枯れた木に支えられて風雪害を逃れ、ゆっくり太り始めて健全な森に戻っていく(p19)


■【補助金】による間伐は、
 財政赤字を考えれば長く続かないでしょう。
 (こうした施策のために赤字なのかも・・・)


 補助金に頼らない山づくりの提案に
 感心・感動しました。
 鋸谷さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・柱材や母屋材は10.5cm角、12cm角で製材されることが多い。私が勧めたいのは、現場で間伐材を玉切る場合、10.5cm角でも12cm角でも、この大きさの角材がちょうど取れる「末口」から丸太を切ることである(p60)


・正しい枝打ちに方法・・・枝の付け根には「枝座(しざ:枝隆)」と呼ばれるふくらみがある。切り口を平らにしようと、このふくらみを削りとるように枝打ちする人がいるが、間違っている。幹に変色や腐りが入って、木材としての価値を大きく殺ぐことになる(p91)


・雪による倒伏から自然復旧したヒノキ。この「J」字の根元が強い(p123)



【私の評価】★★★★☆(88点)



著者経歴

鋸谷 茂(おがや しげる)・・・1953年生まれ。森林インストラクター。10代から森林施業の研究を続け、「鋸谷式 新間伐」の普及を図る。


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