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「現代の経営<上>」P.F.ドラッカー

2010/03/10公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

 1954年の著作とは思えない一冊です。ドラッカーは自らを経営の観察者と呼んでいました。経営書を書かれている人の多くはドラッカーの本を参考として読んでいるはずです。


 ドラッカーの特徴は、ビシっと本質を指摘することです。例えば、人を活かすのは、欠点を消すことではなく、長所を伸ばすことである、こうしたことを短い言葉で断定調でとつとつと説明してくれます。


・その人の強みを知り、理解して初めて、「彼の強みを生かしてさらに進歩させるためには、いかなる弱みを克服させなければならないか」を考えることができる。(p230)


 ドラッカーの著作の内容は、優秀な経営者を観察するところから生まれてきているように感じました。ドラッカーは、一流の観察者(コンサルタント)ではなかったのか。それが今の私の仮説です。


 ドラッカーの本は、特有の持って回ったような言い回しで、読みこなすには頭を使う必要があります。その点を良く解釈するのか、とっつきにくいと思うか人それぞれでしょう。ドラッカーさん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・マネジメントは、つねに行動のための意思決定にかかわりをもつ。したがって、マネジメントには、つねに時間という次元が存在する。行動は、つねに将来における成果を目標とする。(p20)


・いかなる製品を加えるかを決定する段階では、「われわれの事業は何か」という問いを発し、それに答えを出す必要がある。(p70)


・貧弱な仕事や平凡な仕事は、ほめることはもちろんのこと、許すことさえしてはならない。すなわち、自らの目標を低く設定する経営管理者や、仕事ぶりが基準に達していない経営管理者をその仕事にとどめておいてはならない(p224)


・判断力や能力が不足していても、経営管理者として害をもたらさないことはありうる。しかし、人格や真摯さに欠けるものは、・・・最も価値ある資産たる人材を台なしにする(p243)


・マーケティング・・・市場が必要とするものを生産する(p50)


・不況の波がやって来たとき、経験のある優れた人たちの首を切ってしまえば、好況の波に乗って活動を活発化させようにも、代わりは探せない。経験のない者に経験を積ませるには時間がかかりすぎる。(p128)


・予算の範囲内で仕事をすることは、ばかでもできる。しかし、その範囲内で仕事をするだけの価値のある予算を編成できる人は、数人しか知らない・・・(p130)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

第一部 経営者の課題
第二部 事業の経営
第三部 経営担当者の管理



著者経歴

 P.F.ドラッカー・・・1909年生まれ。大学卒業後、経済記者として働きながら、国際公法の博士号を取得。ロンドンで保険会社のエコノミスト、投資銀行のパートナー補佐などを経験。渡米し、1944年GMより同社のマネジメント研究を依頼され、1946年「会社という概念」に結実。1950年ニューヨーク大学教授に就任。1954年「現代の経営」を発表。以降、経営に関する書籍を数多く発行し、経営学の権威。2005年95歳で永眠。


ドラッカー関係書籍

未来を大きく変えるドラッカーの問い Drucker for Survival ドラッカー・フォー・サバイバル」井坂 康志
ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント」藤田 勝利
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎 夏海


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