■胃大網動脈を使った心臓の冠状動脈バイパス手術、
そしてバチスタ手術と、心臓外科医として
最先端を歩いてきた須磨さんの記録です。
革新的な手術法を手掛けてきた須磨さんは、
他の例のごとく、日本国内では
なかなか評価されなかったようです。
・アメリカの学会はクリエイティブなこと、
新しい発想に対し、ポジティブに評価する。・・・
人のやらないことをやると日本では「変なやつ」と
評価され、それが世間に認められた後はそのアイディアに
相乗りした人間が一番偉くなったりする。(p73)
■そして、海外から評価されると
国内でも評価されるようになりますが、
そこには厳しい嫉妬から海外に行くという
お決まりのパターン。
三井記念病院、イタリアのカトリック大学付属の
ジェメリ総合病院と渡り歩き、徳洲会グループの
サポートを得て湘南鎌倉総合病院、そして最後には
心臓手術専門病院ハートセンターを作っています。
・「画期的な業績を挙げたければ鈍感になるべきです」
相手を無視する力も重要だ、というのだ。
そうしないと難関を乗り越え業績を挙げたあとに
襲われる嫉妬というマイナス感情をかわしていけなくなる(p76)
■私が感じたのは、
いかに自分のレベルを上げるのか、
ということ。
須磨さんは、常に一段上、二段上の人になったつもりで
準備し、勉強していたそうです。
企業であれば、係長、課長のつもりで
準備、勉強して、自分ならこうすると
イメージするということでしょうか。
・助手の下っ端や第三助手として手術に入るなら、
術者と同じ勉強をしておく。そうやって今のステージの
一歩先、二歩先を歩けば必ず有用な人間になれます。(p99)
■こうした最先端を切り開く日本人が、
一人でも増えれば日本は強くなると
思いました。
心臓病にはなりたくないと思いながら、
本の評価としては★4つとします。
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・できれば前夜には、手術がうまくいって心臓が元気に動き、
「先生、うまくいきましたね」と言葉をかけられるところまで
イメージする。(p26)
・技術の向上にゴールはない。今回の手術がうまくいったら、
次回は三十分早く終わるように工夫する。一センチでも
傷を小さくするためにどうすればいいのか。(p42)
・本物かどうか知ることが一番大切なのです、と須磨は力説する。
コンマ一ミリでもアップ・グレードするにはどうしたらいいか。
体力トレーニングをしたり、山ほどの本を乱読したり、放浪
したりする中で、一番大切なことは本物を見ることだ(p206)
・昔は家庭を顧みず暴飲暴食の毎日、本当にバカなことをしていた。
散歩しながら、空を見上げるという平凡な毎日の幸せなんて気づきも
しなかった。死ぬかもしれないと思ったとたん、すべてが変わった。
もし手術が成功し、もういっぺん生きられたら、自分や家族を大切にして
生きて行きたい。これが患者の心情の最大公約数だ。(p171)
▼引用は、この本からです。
講談社
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「チーム・バチスタ」のリアリズム
現役医師、フィクション作家が書きたくなるノンフィクションの内容
「情熱大陸」を活字で読んでいるよう
破境者・須磨久善の半生
本当に海堂氏が執筆したと分かる。【私の評価】★★★★☆(82点)
■著者紹介・・・海堂 尊(かいどう たける)
1961年生まれ。
「チーム・バチスタの栄光」で作家デビュー。
現在も勤務医。
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■関連書評■
a. 「ラストホープ」福島孝徳
【私の評価】★★★★★
b. 「ノーフォールト」岡井 崇
【私の評価】★★★★☆
c. 「プロフェッショナル 仕事の流儀〈1〉」
【私の評価】★★★★☆
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