「発酵道」寺田 啓佐

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発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方

【私の評価】★★★★★(94点)


■著者は、25歳で老舗の酒屋の婿養子となり、
 300年続いた商売を引き継ぐことになりました。


 自分の代で潰してはならない


 そうした思いから、利益を追求し、
 原材料費を削減し、簡単で儲かる酒を造っていきました。


■しかし、時代の流れは
 日本酒から洋酒、ビール、焼酎などに移り、
 日本酒の生産量がどんどん減少していきます。


 吟醸酒が売れるのであれば吟醸酒、
 本醸造が売れれば本醸造と、
 いろいろな酒を造りましたが売上は減っていきました。


 家庭も職場も雰囲気が悪くなり、
 賭け事、タバコ、暴飲暴食に走った寺田さんは、
 ついに腸が腐って入院することになってしまったのです。


  ・かつて日本酒は、「百薬の長」といわれていたのでは
   なかったか。それがいつのまにやら「きちがい水」などと
   いわれるようになってしまった。(p62)


■どん底の状態で病院で寝ている間、
 寺田さんはなぜ腸が腐ったのかと考えました。


 同じ菌が増殖するのでも、
 一方は腐敗、一方は発酵。


 これまでは自分は腐敗していたのではないか、
 会社も腐敗していたのかも。
 では、腐敗ではなく発酵を選べないのか・・・。


 寺田さんは、自分の人生を腐敗させるのではなく
 発酵させることに決めたのです。


 お金を追い求めるのではなく、
 人の役に立つ酒を造ると決心しました。


  ・「いかに儲けるか」を捨てた
   私利私欲も捨てた。
   ただ本物の酒造りを始めよう、それだけだった(p58)


■しかし、現実には勇気と決断が必要です。


 無農薬米は3倍の値段がします。


 周囲の仲間や専門家は「そんなの無理」と反対します。


 それでも、自分を捨て、会社の利益を捨て、
 ただ、そのお酒を飲んでよろこんでくれる人のために
 酒を造り始めたのです。


  ・かつて自分の利益、会社の利潤と、お金を追い求めていた私は、
   ・・・常岡一郎氏との出会いで、「みなさんの役に立つ酒造り
   へと方向転換をしてきた(p132)


■いい酒は造った。しかし、これまでの
 取引先は反対し、取引停止となったところもありました。


 ところが、3年もすると、
 無添加の酒を理解してくれる販売ルートができ、
 採算が取れるようになってきたのです。


■寺田さんは、その後も発芽玄米酒、どぶろくを商品化し、 
 給食委員会などで日本伝統の自然食の大切さを
 伝える活動をしています。


 「得るは捨つるにあり」と言いますが、
 まさに寺田さんは実践されているのです。


 感銘しました。


 私もまた、自分を捨てることが、
 できるのでしょうか。


 本の評価としては★5つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「自分の利益や欲を捨てたときに、人間は救われる
   これはかつて父に言われたコトバだ。・・・
   父に言われたときは意味がわからなかった(p53)


  ・私たち人間も、微生物のような快い生き方をしていけば
   いいんじゃないだろうか・・・
   気持ちのいいこと、楽しいこと、心地いいことを選んで進んでいくのが、
   いちばんいいのじゃないか(p162)


  ・私は声を大にして言いたい。「添加物だらけの酒なんか飲むのを
   やめて、自分で造ったどぶろくを飲んだほうがぜったい体にいい」と。
   それは、酒屋をやってきたからこそわかることなのだ(p212)


▼引用は、この本からです。 

発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方
寺田 啓佐
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5 魂のこもった生き方を学ばせていただきました。
5 よかった
5 発酵を通じた人間学
5 発酵?!腐敗?!あなたはどっち?!
5 お酒の推薦書ではありません!

【私の評価】★★★★★(94点)



■著者紹介・・・寺田 啓佐(てらだ けいすけ)

 1948年生まれ。自然酒蔵元「寺田本家」23代当主。
 74年300年続く造り酒屋「寺田本家」に婿入りする。
 85年経営の破綻と病気を機に、自然酒造りを始める。


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