【私の評価】★★★☆☆(76点)
■1970年代にエネルギー危機を指摘した
イギリス経済学者の一冊です。
あまりに今を適切に予測しており、
こういうものを学問というのだな、と
納得しました。
■シューマッハが指摘するのは、
石炭、石油、ウランはいずれ枯渇するという
当たり前の事実です。
枯渇すればエネルギーの価格が上昇し、
そのエネルギーを買えるのは
お金を持った国、または軍事力を持った国
ということになります。
・富んだ国が経済成長を続けるから燃料への需要は厖大にふくらみ、
その結果、貧しい国が冨と教育と工業技術と資本蓄積の力を手に
入れて、化石燃料に代わる燃料を大規模に使えるようになるより
はるか以前に、世界の安く使いやすい燃料は高価で稀少なものに
なってしまうだろう(p36)
■この本では、木材や水力といった
再生可能エネルギーを推奨するとともに、
大量生産大量消費から節約と節制の社会を
提唱しています。
昨今のバイオマスを中心とした再生可能エネルギーの
開発の動き、省エネルギーの推進などを見ると、
やっとこの本が予測した時代が近づいてきたのでしょう。
・石炭、石油のような再生不能の燃料と、薪や水力のような
再生可能な燃料との間には、本質的な違いがあるのであって、
この違いはけっして無視できない。再生不能財は、やむを
えない場合に限って使うべきもので、その場合でも、それを
保全するために最善の注意と細心の配慮を払わなければならない。(p78)
■再度、じっくり読みたくなる一冊でした。
古い本ですので、今の状況とシューマッハの予測とを
比較しながら読むとおもしろいと思います。
本の評価としては、★3つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・近い将来深刻なエネルギー不足が
起こりうることを指摘した人たちの議論は、
反論されるのではなく、嘲笑されるか無視された(p164)
・過去と現在の経験は例外なく、
基本的な資源を供給するのは自然ではなく人間であること、
経済開発の決定要素は人間の精神であるということを教えている(p100)
・貧乏人や不満分子には、性急に金持ちに戦いを挑んだりすると、
将来自分たちにも金の卵を産んでくれるはずのガチョウを、
かえって殺すことになる、と教えればよい。一方、金持ちには、
利口になってときどき貧乏人を助けること、
そうすればますます金持ちになる、と教えればよい。(p31)
▼引用は、この本からです。
講談社
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そろそろ原点回帰の時がきた。
倫理の無い発展なんて・・・
『ドイツ的質実』
経済活動のバイブルとして
これを読まずに"エコ"は語れない!!【私の評価】★★★☆☆(76点)
■著者紹介・・・E.F.シューマッハ
1911年ドイツ生まれの経済学者。
戦後、英国に帰化。英国石炭公社顧問として
早くから石油危機を予言。
1977年没。
─────────────────
■関連書評■
a. 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」武田 邦彦
【私の評価】★★★★☆
b. 「正義で地球は救えない」池田 清彦
【私の評価】★★★★☆
c. 「グリーン革命(上)」トーマス・フリードマン
【私の評価】★★☆☆☆
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