「世界一の庭師の仕事術」石原 和幸

世界一の庭師の仕事術 ‾路上花屋から世界ナンバーワンへ‾

【私の評価】★★★★☆(86点)


■石原さんは、23歳のとき活け花を見て感動し、
 花屋になることを決心しました。

 その後、花屋に弟子入りし、29歳で独立。
 長崎で路上販売をはじめます。


■ところが閉鎖的な長崎の花市場に入れてもらえず、
 結局、久留米市の花市場から片道4時間を
 往復する生活をはじめました。

 店もたった月5万円、
 たたみ一畳分の広さです。

 それでも、安さと工夫と感動で、
 売上を上げていきました。


  ・あるときは、飲み屋を
   カスミソウで埋め尽くしたこともありました。・・・
   使ったカスミソウは1000本(p51)


■会社は順調に大きくなります。
 ところが、石原さんは目標を見失っていきました。

 40歳頃、大手商社から声をかけられ、
 花屋のフランチャイズをはじめます。

 しかし、全国展開のフランチャイズ店と、
 町でお客様に声をかけて花を売る商売とは、
 まったく違った商売でした。

 業績は伸びず、借金がどんどん
 増えていきました。
 そして8億円の借金を抱えたところで撤退。
 長崎に帰ったのです。


  ・小金を持つようになり、
   ハングリーさがなくなって、
   天狗になっていました(p73)


■借金を返済するために、石原さんは、
 花だけでなく庭も作るようになりました。

 単価が数百円の花と、数万円、数十万円の庭では、
 借金を返す石原さんには
 庭を作っていくしかなかったのです。


■必死に借金を返す日々を送りながら、
 石原さんはイギリスの世界一権威のある
 チェルシー・フラワーショーという
 ガーデニングショーと出会いました。

 イギリスの会場で作品の庭を見た石原さんは、
 愕然としました。

 「こんな世界があるんだ。今までの自分がはずかしい・・・」


 そして、
 「ここで勝負したい」
 石原さんがそう決意するのに時間はかかりませんでした。


■しかし、借金生活のうえに、経験なし。
 さらに、参加資金5000万円と、
 現地に三ヵ月会社を休んで滞在する必要があるのです。

 材料も現地調達で、思った材料が集まらず、
 アクシデントの連続です。

 松がない、砂がない、コケがない、板が短い。
 結局、出来上がった作品の8割は
 他のチームから材料を借りることになってしまいました。


  ・自分の置かれた状況で、
   思いつくかぎりのことをする。 
   それがぼくのやり方です。(p26)


■初挑戦の結果は、「銀メダル」でした。

 そして、二年目にも5000万円の資金を集め「金メダル」。
 三年目も「金メダル」。
 四年目も「金メダル」
 三年連続の金メダルを達成したのです。


  ・世界一になる夢に挑戦し、
   その末につかんだものは、
   称号や名誉ではなく、涙でした。(p131)


■石原さんは、「借金こそ宝物」といいます。

 自分が天狗になっていたことを教えてくれた。
 必死さを取り戻してくれた。
 そして、世界一という目標を与えてくれた。

 苦難が自分を成長させてくれたというのです。


  ・「自分の給料はこのくらいだから、この程度の仕事をすればいい」と、
   もし思っているとしたら・・・すぐにでも改めたほうがいい。
   そこには何の進歩もないし、仕事の楽しさだって気づくことのないまま、
   終わってしまうでしょう(p203)


■久しぶりに、アホな日本人を発見しました。
 アホなほどに熱い、花と庭と感動を愛する石原さんです。

 こんな日本人がときどきいるからこそ、
 日本は強いのだと思いました。

 本の評価としては★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・原点を見失っていたのです。
   3000円の花束を福岡まで160キロの道のりを車で
   走って届けに行って、お客さんと一緒に泣いたあの感動を、
   どこかに置き忘れてしまっていました。(p81)


  ・「お客さんに心から喜んでもらえて、
    本当によかった」という思いこそが、
    ぼくの最大の原動力なのだと、ようやく
    思えるに至ったのです。(p137)


  ・「ここがドラマだ」と思ったら、
   オーバーアクションでその人のために動くのです。
   するとお互いの伝説ができる。
   目の前の人を喜ばせることを必死でやれば、絶対に繁盛します。(p202)


▼引用は、この本からです。

世界一の庭師の仕事術 ‾路上花屋から世界ナンバーワンへ‾
石原和幸
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【私の評価】★★★★☆(86点)


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■関連書評■
a. 「奇跡のリンゴ」石川 拓治
【私の評価】★★★★★

b. 「仕事道楽」鈴木 敏夫
【私の評価】★★★★☆


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