「挑戦する経営」千本 倖生

挑戦する経営―千本倖生の起業哲学

【私の評価】★★★★★(94点)


■DDI,イー・アクセス、イー・モバイルを
 創業してきた千本社長の一冊です。

 「日本の電気通信事業のために適正な競争環境が必要」
 との信念でDDIを創業されたところには感動しました。

 そうした信念は、若いころ米国留学しているなかで、
 「独占企業は悪」というアメリカ精神を
 植えつけられたとのこと。


  ・「民営化では不十分だ。健全な競争相手が現れてこそ、
   日本の通信事業は活性化する」という私の信念を固めた背景には、
   アメリカの電気通信界で起きていた地殻変動が大きく作用していた(p92)


■千本社長の創業時の話を聞いていると、
 本当にぎりぎりの経営をしているのですが、
 千本社長にいわせるとそれがベンチャーとのこと。

 すべての初めての仕事ですから、
 9割は困難と失敗の連続であり、
 それをなんとかしていくのが経営であるというのです。


  ・マネジメントとは「そのままにしておいたら危機的な事態に
   際して隘路を探して成功に導くこと」である。九割失敗しても、
   残る一割で断崖絶壁を縫うようにして次のフェーズを切り開く(p282)


■千本社長は、出資者である京セラの稲盛和夫氏の
 経営手法について多くの学びを得たといいます。

 稲盛経営の真髄は、アメーバ経営といわれるような
 きめ細かな数字の管理を基本として、
 その上に精神的な経営があるのです。


  ・稲盛式経営の真髄は、徹底した経営管理にある。
   経営管理をするためには、どういうシステムをつくるかを
   徹底して追及する。いわば、きちんと兵器を整備する。
   その上での精神主義なのだ。(p143)


■やはりベンチャーで成功している人の話は
 すごいと感じました。

 理念、経営手法、ベンチャー企業の経験と
 すべてにわたって充実し、凄い本だと思います。
 本の評価としては★5つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・稲盛氏はこう言った。「千本よ、苦しいだろう。
   だけど、事業というのは一度始めたらやめてはだめなんだ。
   筋のいい事業だと信じたら、石にかじり付いてでもやり抜く。
   ・・・」やめた時が失敗だ(p128)


  ・無理なことを「無理」と答えることは、子供にもできる。
   そして、「無理」だと言われて、簡単にあきらめてしまう人が
   世の中には多過ぎる。(p147)


  ・ゴールドマン・サックスも同様だが、彼らは「人」に
   投資をする。もちろん、ビジネスプランは大切な判断ファクター
   だが、・・・重要なのは「誰がやるのか」なのだ(p189)


  ・「天は素晴らしい機会をわれわれに与えてくれた。正直言って
   二千円台の料金など、私には考えも及ばなかった。・・・ヤフー!
   BBにできるなら、われわれにできないはずがない」(p196)


  ・自戒を込めて言うと、日本の経営者はウエットに過ぎる。
   私自身、取引先や社員から快く思われたいと願う気持ちが
   心の片隅にある。・・・感情は三番目に置かなければ
   国際ゲームには参加できない(p264)


  ・世界の通信方式の潮流が「GSM」に向かっていたにも
   かかわらず、日本だけが独自方式の「PDC」にこだわって
   導入を決めた・・・技術信仰というおごりが潜んでいた
   ・・・他国はただの一国も採用しなかった(p242)


▼引用は、この本からです。

挑戦する経営―千本倖生の起業哲学
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【私の評価】★★★★★(94点)


■著者紹介・・・千本 倖生(せんもと さちお)

 1966年NTT入社。
 1984年第二電電(現KDDI)を共同創業。
 1996年慶應義塾大学経営大学院教授。
 1999年イー・アクセス創業。
 2005年イー・モバイル創業、会長兼CEO。

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■関連書評■
a. 「アメーバ経営」稲盛 和夫
【私の評価】★★★★☆

b. 「成功への情熱」稲盛和夫
【私の評価】★★★☆☆


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