「出発点―1979~1996 」宮崎 駿

出発点―1979~1996

【私の評価】★★★★☆(88点)


■テレビアニメの「アルプスの少女ハイジ」から
 『ルパン三世カリオストロの城』『天空の城ラピュタ』
 『紅の豚』『もののけ姫』など数多くの名作アニメを
 作り上げた宮崎 駿 監督のエッセイ集です。


■この本を読んでわかることは、
 宮崎 駿 監督は一貫して、
 良いアニメを作ろうとしてきたということです。

 しかし、実際の仕事の環境はそれを許しません。
 予算も人も時間も限られているのです。

 それでも、宮崎 駿監督は、金がなければ、安給料でやるし、
 時間がなければ寝ないでやるのです。
 一種の狂気ともいえるものでしょう。


  ・現場にシワ寄せをかけまいと作った人はだれひとりとして
   尊敬されないです。クソミソです。作っているときに
   "鬼め"といわれている人のほうが、終わったときに、
   みんな自分の仕事に対して納得するんですね。(p329)


■そうした狂気のような行動ができるのも、
 根底には「子どもたちが楽しめるアニメを作りたい」という
 思いがあるからです。

 そして、そうしたやりがいのある仕事であれば、
 仲間がそれについてきてくれるし、
 そういう仕事でなければならないという信念を感じました。


  ・子どもたちが本当に心から喜べるようなフィルムを作りたい。
   そういう根本的な自分たちに立場というのは、絶対忘れちゃ
   いけないと思うんです。それを忘れたときに、このスタジオは
   滅びるだろうと思う。(p123)


■やりたいことをやる!という宮崎監督の迫力を感じました。
 これは、良い車を作りたい!という本田宗一郎にも似た感覚
 でした。

 ときどき、こうした人が生まれるのが日本人の
 素晴らしさであり、日本の素晴らしさであり、
 宮崎アニメは日本の宝だと思いました。
 本の評価としては、★4つとします。

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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・子供時代の五分間の体験というのは大人の一年間の体験より優るんですよ。
   ・・・その時期にどれほど社会全体が知恵を絞って子供たちがいかに
   のびのびと生きられるようにするか(p15)


  ・あらゆる「職業人」は、自分の仕事がやりがいのある仕事
   だったら一生懸命やるものだと思いますよ。・・・ただ、
   会社のために、全部滅私奉公せよというのは大嫌いです。
   (p517)


  ・絵コンテをそのまま受けとらないことだ。本当にその絵コンテで
   よいのだろうか、面白いだろうか・・と考える。批評はだれにでも
   できるのだ・・・すぐ代案を提出すること、職業だとしたら代案が
   なければ発言権はない。(p64)


  ・真面目に見ている時にCMが入ってくると、いい加減にしてくれ
   という気持ちになります。"この時間は我が社が提供していますが、
   CMは流さないでこのまま放送を続けます"
   という企業はないものですかね?(p208)


▼引用は、この本からです。

出発点―1979~1996
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【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・宮崎 駿(みやざき はやお)

 1941年生まれ。
 アニメーション製作会社スタジオジブリ映画監督。
 三鷹の森ジブリ美術館の館主。

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■関連書評■
a. 「仕事道楽」鈴木 敏夫
【私の評価】★★★★★

b. 「プチクリ」岡田 斗司夫
【私の評価】★★★☆☆


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