「オフレコ!別冊[最高権力の研究] 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る!」田原 総一朗
2008/10/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
■小泉内閣には賛否両論あるようですが、
結果を見れば、郵政民営化、道路公団民営化、
靖国神社参拝、訪朝と拉致被害者の帰国と
結果と筋を通したように感じます。
マスコミをもコントロールする役人の抵抗を
排除しながら、こうした実績を残したのは、
評価すべきでしょう。
・小泉VS郵政官僚の大喧嘩・・・
翌年、ドイツの郵政三事業が
民営化になったんです。
これは郵政省が、表に出ないように
マスコミを規制した。・・・
うまくいかないニュージーランドや
オーストラリアの話を懸命に
表に出そうとしていましたね。(p57)
■あちこちに「●●省はひどい」「●●省は・・・」とあり、
やはり官僚組織との戦いが主戦場であり、
役人の操縦方法の最終兵器は、
やはり( 人事 )だったようです。
・政策を実践していくのは官僚だから、
官僚を無視できない。・・・
官邸に局長級の人事検討会議がありますから、
ここで人事を握る。閣僚もすべて自分で選ぶ。
ダメな閣僚は、これも誰にも相談せずに
更迭する。(飯島)(p118)
■小泉内閣では、官僚組織に対して
小泉純一郎、竹内平蔵、飯島勲と
役者がそろっていたように感じます。
小泉は目標設定と人事の天才であり、
竹中平蔵が経済問題の対策を設計し、
飯島勲が小泉の片腕として
実務を進めていくという形です。
■最近、小泉内閣の規制緩和の反動として、
役所の生き残りをかけた規制強化が
進んでいるように感じますが、
官僚が生き残っても、
民間が死んでしまえば同じです。
この本を読みながら、
官僚組織をコントロールできる内閣を
期待するしかないと思いました。
本の評価としては、★4つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・うちが受け取る政治資金は、・・・
ひと口月額2万円なんです。・・・
1000社近くが後援会に入って、
陳情なしで30年以上支えてくれるというのは、
これはたいへんなことです。(飯島)(p44)
・年金福祉事業団は、99年末に廃止法案が通って、
01年3月に廃止された。つまり小泉は、
厚生大臣になったとたん、財政投融資に流れ込む
郵貯、簡保、年金という「三本の矢」の
一本を折った。(飯島)(p158)
・北朝鮮工作員の問題も話としてはあったが、
断定できない状態だった。
新幹線のレールに鎖を巻いて転覆を謀った。
あるいは鉄橋のボルトを相当数抜いて
鉄塔が倒れそうになった。(飯島)(p181)
▼引用は、この本からです。
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小泉政権の日々
【私の評価】★★★★☆(82点)
■著者経歴・・・田原 総一朗(たはら そういちろう)
ジャーナリスト。1934年生まれ。
大学卒業後、JTB、岩波映画社、テレビ東京を経て、フリー。
「朝まで生テレビ」「サンデープロジェクト」など。
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