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「江戸商家の家訓に学ぶ商いの原点」荒田弘司

2008/07/15公開 更新
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江戸商家の家訓に学ぶ商いの原点


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 江戸時代の商家のなかには、現代まで営々とが発展し、大企業・グループとなっているものがあります。この本は、そうした商家に伝わる家訓を通じて、商売の成功法則を考える一冊です。


 まず、全体を通じて一つの筋が通っています。それは、「 誠 実 さ 」です。ほぼ、すべての家訓において、良いものを適性な価格で、お客様に提供することを最重要項目としています。


・目先だけを考えた商いについて、「そういうやり方は嫌いだ」と断言し、急ぎの入り用だからといって足元を見て高値で売るなと釘をさしている。(下村彦右衛門正啓:大丸)


 それ以外では、人材育成、本業集中、自力による営業、倹約などが目立ち、現代の経営とあまり変わりがありません。手堅く、信頼を維持しながら商売を続けていくことが、商売繁盛の秘訣なのです。


・他力を頼まず独力で商人として身を立つること[安田家家憲](p174)


 やはり、商店はお客様の便利のためにあるのであり、本来の目的を見失わない企業が生き延びているのだと感じました。歴史に検証された経営の本道を学べる一冊です。星3つとしました。


この本で私が共感した名言

・名将の下に弱卒なし。賢者能者を登用するに最も意を用いよ。下に不平怨嗟の声なからしむる様注意すべし。[高利『遺訓』] (p35)


・なんであれ、相場より安い商品が持ってこられても、出所や安値の理由が定かでない物を買ってはならない。そんな物は盗品と心得なさい[住友政友『文殊院旨意書』(p108)


・家業外の事業には必ず独断を以って手を出す事勿(なか)れ([高梨家遺訓]:キッコーマン)(p78)


・収入の八割を以って生活し、他は貯蓄すること[安田家家憲](p188)


▼引用は、この本からです。
江戸商家の家訓に学ぶ商いの原点
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荒田 弘司
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第1章 アイディアは顧客満足のために使え―「越後屋」三井家の訓え
第2章 義を尽くしてこそ家は栄える―「大丸」下村家の訓え
第3章 本業から逸脱するな―「キッコーマン」茂木・高梨家の訓え
第4章 ビジネスの中に倫理を持て―住友家の訓え
第5章 自他の利益を図るべし―「高島屋」飯田家の訓え
第6章 事業の行き先に国家を見よ―「三菱」岩崎家の訓え
第7章 8割で暮らして2割は貯蓄―安田家の訓え
第8章 世代を超えた連携プレイ―「松坂屋」伊藤家の訓え
第9章 商いは社会との関わりを大切に―近江商人の訓え
むすび 江戸商家の家訓に学ぶ現代の企業経営



著者経歴

 荒田 弘司(あらた こうじ)・・・大学卒業後、日産自動車入社。管理部長、日産チェリー東京販売常務取締役、日産工機常務取締役を歴任。現在、M&M戦略研究所常務理事。実践経営学会監事。


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