■著者は、文部省の長期在外研究員として、
イギリスのケンブリッジ大学に1年間滞在しました。
ケンブリッジといえば、オックスフォードとならんで、
イギリスの英知の集まるところです。
■ケンブリッジの研究生活の中から、
イギリス人の文化、習慣、雰囲気というものが見えてきます。
衰えたとはいえ、世界を制覇した大英帝国なのですから、
文化の厚み、歴史の厚さはたいしたものだと思いました。
・ロウアークラスの人々の、アッパーミドル以上への敵意はかなりの
ものだった。西隣りに住むブライアンから、ラグビーの試合ならよいが、
ロウアークラスの集まるサッカー試合には、家族連れで行かぬよう忠告
されていた。(p159)
■この本で特に楽しかったのは、高邁なイギリス人教授に、
ジョークで藤原さんが反撃するところです。
知的ウィットが秀逸で、教養というものは
こう使うべきであると、妙に納得してしまいました。
・この英文学者は、「以前日本から英文学科を訪れた人は興味深かった。
チョーサーをすらすら読めるのに、ほとんど英語を話せなかった」と
皮肉まじりに言った。・・・私が間髪を入れずに、「アーサー・ウェイリー
は源氏物語を上手に英訳したが、日本語は話せなかったらしい」と言ったら、
ニッコリうなずいてから、「よし、あなたの勝ちだ」と言った。(p204)
■藤原さんのジョークに笑いながら、
イギリスのジョークと教養が理解できる一冊でした。
本の評価としては、★5つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・イギリスに住んだ友人から、「イギリス人には舌がない」
と聞いていたが、本当だった。舌はみなフランスへ行って
しまったらしい。(p15)
・経験から判断すると、フェアーであることを、
イギリス人は絶対的なことと考え、
アメリカ人は重要なことと考え、
ヨーロッパ人は重要なことの一つと考え、
日本人は好ましいことと考える。(p35)
・昼食の時間には、サンドイッチを持って来る子と自宅に帰る子が半分強で、
残りは、リンゴ一個とか、バナナ一本、ニンジン一本とチョコレートバー
一本、などと様々だった。イギリスの子供の顔色が青いのは、天候ばかり
でなく、無配慮な食生活にも関係していると思う(p62)
・マユミ・ザイラー先生は、寛太郎が上手に引けなくても、まず、
「寛ちゃん、良かったよ!」と独特の抑揚のある日本語でほめ上げるのが
癖だった。寛太郎が気分を良くした頃合を見て、「でもこうしたら
もっとよくなるよ!」と言って技術的な注意を与えるのだった。(p180)
▼引用は、この本からです。
新潮社
売り上げランキング: 633

イギリスから学ぶこと。
才能があったり,コネがあったりすると,いいなぁ
秀逸なエッセイ
英国の大学内情
イギリスとイギリス人を知ることで日本と日本人を知る。【私の評価】★★★★★(91点)
■著者紹介・・・藤原 正彦(ふじわら まさひこ)
1943年生まれ。お茶の水女子大学理学部教授。数学者。
故・新田次郎と藤原ていの次男
─────────────────
■関連書評■
a. 「3つに分けて人生がうまくいくイギリスの習慣」井形 慶子
【私の評価】★★★☆☆
b. 「国家の品格」藤原 雅彦、新潮社
【私の評価】★★★★☆
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
![]()
![]()
| メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 |
| 配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|発行者の日記


コメントする